菅直人代表を団長とする民主党訪韓代表団が10日、韓国・ソウルで盧武鉉(ノ・ムヒョン)次期大統領、金大中(キム・デジュン)大統領らと相次いで会談し、北朝鮮問題などについて意見を交わした。会談には代表団として、菅代表のほか、土肥隆一、荒井聰、近藤昭一の各衆議院議員が出席した。
盧次期大統領は会談の中で、「北韓(=北朝鮮)が核兵器を持つことは大変危険であり、容認できない」とした上で、「北韓に対して圧力を行使するのも一つの方法だが、北韓が応じなければ最終的には武力行使になる。それは避けなければならない」と述べ、米国の武力行使によって韓半島全域を巻き込む戦争が起きることを避けるため、北朝鮮との交渉の席に着くよう米国を説得していくとの方針を示した。
これに対し菅代表は、「日本には国交回復、拉致問題などがあるが、戦争になれば韓半島だけでなく、わが国を巻き込む戦争になる可能性が高い」との認識を示し、「北朝鮮を説得するためには、日米韓が共通の総合的なプランをワンパッケージとしてまとめ、北朝鮮に対応すべきではないか」と述べ、日米韓が協調して北朝鮮との交渉に臨めば平和的解決は可能との考えを提示。盧次期大統領もこれに賛意を示した。代表団はこの後、国会を訪問して韓国国会議員とディスカッションを行うとともに、青瓦台で金大統領と会談し、空路帰国した。
菅代表は、これに先立つ8日、博多港から高速船で盧次期大統領の出身地でもある釜山に渡り、翌9日に鉄路でソウル入りした。その後、成田から空路で到着した土肥、荒井、近藤の各議員と合流し、38度線を見渡せる、板門店近くの都羅(トラ)展望台と、北朝鮮が工作員潜入などのために掘ったといわれる地下トンネルを視察。翌10日に、新千年民主党本部に韓和甲(ハン・ファガブ)代表を表敬訪問するとともに、盧次期大統領と会談した。
今月25日に行われる盧次期大統領の就任式には、民主党からも出席を予定している。
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