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2003/02/12
【党首討論】菅代表、主体性ない首相を痛烈に批判(1)
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 民主党の菅直人代表は12日、代表として初めて小泉首相との党首討論に臨んだ。イラク情勢や北朝鮮問題を中心に32分間、外交問題について自らの明確な意見を表明していない小泉首相の外交姿勢を「お粗末すぎる。米国について行くと言えばいいではないか」などと厳しく批判した。

 やりとりの要旨は以下の通り。

   ◇   ◇   ◇

菅 総理は最近の国会答弁を見ていると棒読みばかりで、元気がないようだが、今日はいかがか。

小泉 できるだけ、ていねいに、穏やかに、挑発に乗らないように、誠心誠意答弁すると、「元気がない」と言われる。いろいろ言われるが、今日も真剣に、ていねいに答弁したいと思っている。

菅 英国のクエスチョンタイムは、ズバズバと言い合う。私もズバッと質問するので、小泉総理もどうか持ち味を活かして、ズバッと答えていただきたい。

【イラク情勢】

菅 フランスやドイツ、ロシアがイラクの大量破壊兵器に対する査察を継続・強化すべきだと共同宣言を出した。日本国民も、世界の多くの国民もそのことに賛同しており、私もそう思うが、小泉首相はこれに賛成か、反対か。

小泉 ものごとには、ズバッと答えられるものと、必ずしもそうでない問題がある。イラクが国連安保理決議を長い間誠実に実施しなかったことに問題がある。圧力を強めれば協力するということではよろしくない。もっと早く協力して、妨害をせずに実行に移していれば、ここまで国際社会が緊張することもなかった。パウエル米国務長官が安保理で報告してから、疑惑はますます深まっている。14日には国連監視査察委員会のブリックス委員長の報告があり、議論される。米国に対しては、国際協調を構築するように、引き続き努力する。EUでも議論が割れている。そういう状況を見ながら、日本としては、できるだけ平和裡に解決するように努力を続けていく必要がある。

菅 あいかわらず結論が分からない。ドイツもフランスもロシアも、大統領がはっきり自分の意見を言っている。ここまできて、まだ「イラクが決議をしっかり実行していない」など、半年前の証文を出すような返事をしないでほしい。ちゃんと国民に分かるように、日本国政府は、小泉総理はどう考えているのか、もっと査察を続けるべきなのか、米国が言っているように、もう査察はいい加減にして武力攻撃に移るべきなのか、どちらなのか。

小泉 半年前でなく、今時点でお答えしている。ブリックス委員長が国連で14日に報告する。NATOの問題も各国で違いがあるようだ。14日のあとにどういう議論がなされるのか。そういう状況を見て・・・。日本としては、仮に国連で武力行使の決議がなされても、武力行使はしないことははっきりしている。イラクが決議を実行し、米国が国際協調を構築するよう求め、そのあと日本がどう対応するかは、14日の議論の状況を見てはっきりさせる。きわめてはっきりしている。

菅 確かにきわめてはっきりしている。「米国が結論を出すのを待って、それについていく」──それしかないというなら、そうはっきり言えばいいではないか。ドイツだって米国の同盟国。自分の意見ははっきり言うべきだ。何ひとつも言わないのは、事実上意見がないということ。総理に意見がないような国は、いったいどうすればいいのか。

小泉 はっきり言っている。14日の報告、国際社会の議論を待って、はっきり表明する。

菅 国民の皆さんが聞いたら、いかに総理が逃げているか、よくわかる。91〜98年にイラクで査察にあたったスコット・リッターさんは、決定的な形で生物化学兵器が必ずあるとは言えないし、化学兵器の中には5年程度で効力を失うものもあるから、5年間きちっと査察して新しい生産をやめさせれば、無効になるものも多いと言っている。そういう話を聞けば、徹底して査察を続ければいいと思うのが必然だ。少し話を進めると、ブッシュ政権はいったい何を求めているのか。大量破壊兵器の廃棄、開発の阻止を求めているのか、それともフセイン政権打倒を求めているのか。

小泉 ブッシュのみならず、国際社会は、イラクの武装解除を求めている。大量破壊兵器がなくなったということをイラクが説明することを求めているのだが、イラクが妨害したり協力しなかったりしていることに問題がある。

菅 証拠がはっきりしないまま、武力行使を容認する新たな国連決議もないまま、アメリカが先制攻撃を加えるとしたら、これは国連憲章に反すると思うか。総理はどう考えるか。

小泉 戦争が認められているのは、自衛の場合と国連決議に基づく場合だ。今後どうなるのか、今の時点では分からない。米国もまだ今の時点で武力攻撃をするとは言っていない。平和的解決を望むと言っている。そういう点を考えて、状況を見ながら日本は判断したい。

菅 これを国民が聞いて「総理はいったい何を考えているのか。何一つ言わないではないか」と思うだろう。私は、仮定といっても、ありうる前提をはっきり言った。その前提のもとで、米国の先制攻撃が国連憲章に反するという認識をお持ちかどうか、再度聞く。

小泉 (現存する国連決議)1441というのは、イラクにさらに重大な違反があった場合には、国際社会が一致して対応しなければならない、最後の機会を与えると言っている。イラクがそのような疑惑はないという証拠を示さなければならないのに、示していないのでいまだに査察団がいる。その協議をして14日にどういう報告がされるのか。そこだ。

菅 ちょっとお粗末ではないか。各国の首脳は、ここまできてきちんと自分の言葉で語っているのに、小泉総理は「14日まで待つ」「8日まで待つ」と言う。はっきり「米国についていく」と言えばいいではないか。訳の分からないことを言わないでほしい。

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