17日の衆院予算委員会で03年度総予算に関する一般的質疑が行われ、民主党から細野豪志議員、原口一博議員、上田清司議員が質問に立った。主な質問項目は次の通り。
▼細野豪志議員=FTA(自由貿易協定)のあり方など経済外交、大島農水相口利き疑惑、住民基本台帳ネットワークデータの民間利用問題など▼原口一博議員=竹中金融担当相の「ETF(株価指数連動型上場投資信託)は絶対儲かる」発言、政策不況克服と規制改革、公共事業・公益法人と政治改革など▼上田清司議員=住基ネット民間利用問題、特別会計15年度予算の問題点など。18日▼永田寿康議員▼首藤信彦議員▼山花郁夫議員▼山井和則議員
細野議員は、全国銀行協会(全銀協)が昨年9月に出した各銀行向けの事例集(Q&A)の中で、銀行口座を開設する時などに求める本人確認の資料として、住民基本台帳ネットワークの住民票コードが記載された通知票も利用できると記載していた問題を取り上げ、データの民間利用を禁じた住民基本台帳法違反の恐れがあると追及。しかし住基ネットの所管大臣である片山総務相は、「実際に本人確認に使われた事実は報告されていない」「今後は指導を徹底したい」などと暢気な答弁を繰り返し、個人データ保護に関する意識の低さをあらためてさらけ出した。
また、上田議員も同問題を取り上げ、全銀協がこの事例集を配布するにあたって「金融庁に了解を得ている」という説明文を付していたことを明らかにして、事実関係を質した。しかし竹中金融担当相は、「(金融庁側は)問い合わせと報告を受けたが、本人確認法(「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」)以外の法律に抵触する恐れについて指摘しなかったことは不充分だった」などとあいまいな答弁でごまかした。上田議員は、明確な事実関係の再報告と全銀協会長の委員会招致を要求した。
原口議員は、竹中金融担当相の「ETFは絶対儲かる」発言について、証券取引法に規定されている不公正取引のうちの「風説の流布」か「インサイダー取引」にあたる、と厳しく批判。これに対して金融担当相は、「記者会見では個人としての見解を聞かれたので、そう答えた」などと苦し紛れの言い逃れをしたが、記者の質問が「大臣として」というものだったことを指摘され、たちまち馬脚をあらわした。原口議員は「大臣失格だ」として、金融担当相の辞任を強く要求した。
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