衆議院予算委員会において2003年度予算案に関する公聴会が2日間の日程で始まった25日午前、公述人の専修大学名誉教授の正村公宏氏が意見陳述を行った。正村氏は「財政だけを考え、短期間で何とか赤字減らしをしようと抑制的な政策をとると、経済が不均衡を起こし、必ずそれが財政に跳ね返る。今はまさにそうなりつつある」と指摘した。
正村氏は同様の財政失政の前例として1980年代前半の臨調行革、97年の橋本内閣の財政構造改革を挙げた上で、「小泉政権はそうした前例に学ぶことなく、何故か繰り返している」と指摘。財政改革と景気対策の二者択一の間で揺れている政府の対応を批判した。
また、質疑に立った民主党の長妻昭議員の「政府予算案に点数をつけるとすれば何点か」との質問には、「合格すれすれお情けの50点」だとし、すべての分野において総合戦略が見えてこないのが問題だと指弾した。
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