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2003/02/27
民主党イラク訪問団が帰国会見
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武力攻撃の危機が迫るバグダッドに入り、イラク指導者たちとの会見などを実現した民主党のイラク訪問団(団長・石井一副代表)が27日夜、帰国し、党本部でただちに記者会見を行った。

 会見には、訪問団の石井団長、首藤信彦衆議院議員、岩本司参議院議員が出席。石井団長が1週間の日程の概要を紹介し、総括的な提起を行った後、両議員が補足と感想を述べた。

 同訪問団は、まず23日にアンマンに入り、ヨルダンのリファーイ上院議長と会見。その後24、25日にバグダッドでイラクのハンマーディー国会議長、サアディ大統領顧問、アミン国家監視局長官らと相次いで会談し、市内を視察。26日にはパリに飛び、フランスのビリ大統領補佐官らと意見交換した。

 とりわけ、イラク指導部との会談では、国連決議違反認定の焦点となっている「アルサムード2」ミサイル廃棄の期限が目前に迫っている中で、廃棄要求の受け入れに躊躇するイラク側に戦争回避のあらゆる手だてを採るよう繰り返し要請。緊迫したやりとりを通じて、「一両日中に廃棄を受け入れることを表明する感触」(石井団長)を得た。同時に、サアディ大統領顧問に国連査察への全面協力を求めるフセイン大統領あての書簡を手渡し、民主党の基本的立場を説明。大統領顧問は「ただちに大統領に伝えたい」と答えた。

 また、ヨルダン、フランス両国首脳との会談でも、戦争の回避に向けた方策をめぐって突っ込んだ意見交換を行った。

 石井団長は今回の訪問を振り返って、「イラク国内のムードは親日的で、なぜ友国である日本がわれわれを見捨てるのか、といった嘆きをしばしば聞いた。イラクは大量破壊兵器の廃棄や国連査察受け入れに最大限の努力をしているが、それが外へ伝わっていないという問題がある。政府はイラクの言い分も聞かずにアメリカに付き従っているが、もっと自主的な外交をやるべきだ」と語った。

 また、政府が外務副大臣を3月1日にイラクに派遣することを急遽決めたことについて石井団長は、「今頃行って何の意味があるのか。何度も特使を送るよう要求したにも関わらず“イラクに間違ったメッセージを送ることになる”と拒否してきたのが、この期に及んで派遣するのはアリバイづくりにすぎないのではないか」と批判した。

 首藤議員は「アルサムード2という、イラクにとっての最大の防御兵器の廃棄が実現されれば、同国が国連決議1441を真摯に履行していると評価すべきだ」と指摘。岩本議員は「劣化ウラン弾の被害などで苦しんでいるイラクの子どもたちに医療機器や薬が不足している。戦争になった場合、終わった後の支援でなく突入とともに支援を行うことも議論すべきだ」と語った。

訪問団の主な日程は次の通り。

21日 日本発
22日 パリ(経由)
23日 アンマン(ヨルダン)
      リファーイ上院議長と会見
24日 バグダッド(イラク)
      ハンマーディー国会議長と会見
      日本人国連報道官、IAEA査察官らと会見
      小児科病院、アメリア防空壕、NGO集会など訪問
25日 バグダッド(イラク)
      ムバラク保健相と会見
      サアディ大統領顧問・アミン国家監視局長官と会見
      小学校など訪問
26日 パリ(フランス)
      ビリ大統領補佐官と会見
      シルバ外務省国連国際機関局次長と会見
      ポンセ上院議員と会見
27日 帰国

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