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2003/03/05
【参院予算委】直嶋議員、増税・負担増のデフレ無策を徹底批判
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03年度予算案をめぐる審議が参議院に移った5日、予算委員会で総括質疑が行われ、民主党・新緑風会から直嶋正行議員が質問に立った。

 直嶋議員は、まず切迫するイラク問題に対する政府の対応について質問。世論調査で国民の7、8割がイラク攻撃に反対していることを指摘し、「この世論と政府方針とのギャップをどう考えているか」と質した。これに対して小泉首相は、「世論は世論。世論に従うと間違う場合もある」などと言い放った。直嶋議員は、「国民世論の理解と納得を得ない政治は間違う」と厳しく言い返し、武力行使を容認する国連決議が採択されない場合でも米英の攻撃を支持するのか、と重ねて質した。しかし首相は、「新決議案の動向を見て、総合的に判断する」などと明確な回答を避けた。

 北朝鮮問題については、金正日指導部が核開発を進めている現状では日朝平壌宣言の前提は崩れているのではないか、と質問。ところが小泉首相は、「(北朝鮮は)宣言を誠実に履行したいという意思を持っている」「北朝鮮もご破算とは言っていない。期待しながら対応したい」などと非現実的な認識を繰り返し述べ、現情勢に対応した方針を打ち出せずにいることが鮮明になった。

 デフレ対策をめぐっては、政府が押し出している先行減税がほとんど企業減税であり、個人消費は国民負担増によってますます冷え込むのではないか、と追及。首相は「企業が活力を得ることで、結局家計に戻っていく」などとしたが、直嶋議員は「企業活動が家計に戻っていくには時間がかかる。しかも、減税はすべて時限措置で、その後の増税は恒久措置。これでは減税の意味もない」と畳みかけた。答弁に立った塩川財相は「減税しろというから減税すればおかしいと言う。どうすりゃいいのか。煙草1本1円の増税など、国会ではワーワー言うが、世間では反対はない」などと興奮してまくし立てた。直嶋議員は、「こんな対策では、永久に景気は回復しない」と厳しく指摘した。

 また直嶋議員は、名古屋刑務所受刑者死亡事件も取り上げ、森山法相にいかに受け止めているかを質した。法相は、「塀の中の常識が世間の常識と違っている。矯正行政の抜本的改革を進める」などと答えたが、直嶋議員は法相自身が受刑者からの情願制度の存在さえ知らなかったことなどを指摘し、「職責を果たしていない」と厳しく批判。また、政府の人権擁護法案との関連にも触れ、「こんな所管省庁の状況では、まともに審議する気になれない。法務省の外局に人権委員会などつくれない。委員会は別のところに置くべきだ。改めて法案には反対だ」と強い口調で語った。

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