03年度政府予算を審議する参院予算委員会で7日、民主党・新緑風会の櫻井充、辻泰弘両議員が一般質疑に立った。
この中で櫻井議員は、経済・金融問題から、医療・社会保障まで幅広く取り上げたが、この中で、JR西日本の居眠り運転事件の原因と判明した「睡眠時無呼吸症候群」について、国内に100〜200万人の患者がおり、放置すれば居眠り運転による交通事故など大きな社会・経済的損失になると指摘し、米国で国家的に取り組まれている調査・対策事業「Wake Up America」にならい、政府が調査・対策に積極的に乗り出すべきだと提案した。
1月に退任した小野元之・前文部科学事務次官が翌月から特殊法人日本学術振興会の理事長に天下りしたうえで、「民間人」と称して中央教育審議会委員に就任した問題では、「今まで諮問していた側が審議する側になるというのは、きわめて変なこと。辞めさせるべきだ」と主張。福田官房長官は、「官僚出身者の審議会委員登用は慎重でなければならず、国民に疑念を持たれないようにしなくてはならない」としつつも、本件については「文科相は人格・識見などを総合的に勘案して判断したのではないか」と答え、遠山文科相も「辞めていただくつもりはない」と開き直りの姿勢を見せた。櫻井議員は、「そんなことで多くの国民が信認すると思うのか」と吐き捨てた。
東京女子医大で2年前、心臓手術時の人工心肺装置の操作ミスで12歳の患者が死亡した事件も取り上げ、この人口心肺装置が医大側によって改造されたものである事実を指摘、個々のパーツが承認を得たものであれば、それをどう組み合わせるかを使用者の自由裁量に委ねている現行薬事法の承認制度の欠陥を突いた。坂口厚労相も、「少し納得しかねる部分があるので、見直すべきだと思う」とこれに応えた。
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