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2003/03/10
【参院決算委】空洞化する決算審議の改革迫る
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参議院決算委員会で10日、01年度決算などに関する質疑が行われ、民主党・新緑風会の佐藤泰介、江本孟紀の両議員が質問に立った。

 佐藤議員は質問の冒頭、自民党の坂井隆憲議員が政治資金規正法違反容疑で逮捕された問題に触れ、同議員はただちに辞職すべきだという考えを述べるとともに、政治資金をめぐる法規制強化に向けた見解を質した。これに対して小泉首相は、「全部税金でやれとか個人献金だけで、というのは無理がある」などと述べるばかりで、法規制の強化に後ろ向きな姿勢があらわになった。また坂井議員の問題についても「これは法で決まっていながら違反したんだから逮捕されて当然」などと、またしても自民党総裁の立場もすっかり忘れたような“他人事発言”を行い、ひんしゅくを買った。

 01年度の財政運営をめぐって佐藤議員は、政府の税収見積もりが大きく狂い、多額の歳入欠陥を生みだしたことの責任を追及。ところが塩川財相は、「決算上、5億のマイナスで何とか帳尻が合った」などと暢気に語り、税収見積もりの失敗についても、例によって9.11の米国テロの影響によるものなどと説明した。また小泉首相も、見通しを誤ったことについて「率直に責任を認める」と一言述べたものの、「悪い方に外れちゃったから、今度は税収が見通し以上に増えて外れるように」などと軽口を叩く始末だった。

 また佐藤議員は、補正予算で国債発行30兆円枠を守るためにNTT株売却益という“隠れ借金”を使った問題を改めて指摘するとともに、そもそも予算処理が複雑で不透明なものになっていることについても改善を求めた。塩川財相は、隠れ借金問題については「適法な処理だった」と居直ったが、予算の仕組みが不透明なものになっていることについては認め、特別会計を手始めに企業会計と同じシステムに変えていく意向を明らかにした。

 続いて関連質問に立った江本議員は、日本の国会で決算審議が空洞化している理由について「税金の本当の使途を国民に示すことができないからだ」と喝破した故石井紘基議員の言葉を引きながら、まず国と地方自治体の借金が700兆円を超えるまでに膨れ上がった原因を質した。ところが小泉首相は、「すべての政策は税金がないと実行できないのに、すべての人が増税には反対する。(そのために借金が)だんだん増えて、気が付いたらこんなことになっちゃった」などと、国民に責任を転嫁する不真面目きわまりない答弁。江本議員は、これこそ決算をおろそかにした結果だと厳しく指摘し、予算および決算審議の改革を強く求めた。

 また江本議員は、健康保険の窓口負担引き上げについて、医療報酬体系や診療体制の見直しなどの改革をやらずにサラリーマンの医療費負担だけを3割に上げても受診率を抑制するだけだと批判。「サラリーマンに何か恨みでもあるのか」と追及した。しかし首相は、医療費を上げなければ病気でない人の保険料まで上げることになる、などと詭弁を弄し、「私はサラリーマンの味方」などと居直った。また坂口厚労相は医療の抜本改革のプランを今月末までに示すとしたが、江本議員は「国民の反対の波は大きい」として医療費負担引き上げの凍結を強く求めた。

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