菅直人代表代行は1日午後、党本部で定例の記者会見を開催し、いわゆる共謀罪に関する政府・与党の動き、ジャワ島地震への調査団派遣などについてコメントした。
菅代表代行はこの中で、まず共謀罪に関して、「与党の方から色々ボールが投げかけられている」とし、民主党案を丸飲みするとの声もあることについて言及した。菅代表代行は、委員会審議等で民主党の主張に対し、「条約の関係で不可能だ」などという答弁を外相や法相が繰り返している事実を指摘。緊急事態基本法に関する三党合意を、官僚の主張を受けて平気で反故にした与党の姿勢を考えれば、「与党国対と政府が二枚舌を使う可能性もよく言われている」として、「政府の対応を見きわめなければならない」との姿勢を明確にした。その上で菅代表代行は、ことの真意に関して、「与党の国対に質すだけでなく、政府自体に対して質す中で対応を決めていきたい」とし、「現時点でまだ合意の道が見えたとはわれわれは理解していない」との厳しい見方を示した。
また、インドネシア・ジャワ島における地震災害に関しても菅代表代行は言及し、民主党としても募金活動を行うなど支援策を実施していることを指摘するとともに、「ジャワ島地震救援対策本部」の事務局長である末松義規国際局長や黒岩宇洋参議院議員、藤田幸久国際局副局長らで構成される現地調査団を明日から派遣することについても明らかにした。その上で菅代表代行は、民主党として、「できるだけ現場に近いところで活動している人たちに支援が渡るように努力していきたい」との姿勢を明らかにした。
また与党側から、外資による献金規制を解除する内容の政治資金規正法改正案が提出されていることに関しても、諸外国の例を見れば、「必ずしも想定していないようなことが起きかねない」内容であるとして強い懸念を表明。規制を、ある部分緩める場合にはチェックする仕組みも同時に用意する必要があるとして、「この問題は少し慎重な形で取り扱っていきたい」との意向を示した。
いわゆる年金偽装問題についても菅代表代行は、納付率偽装、耐震偽装、道路公団の民営化偽装など、「5年間の小泉内閣は、『改革偽装内閣』だと結論づけざるを得ない」と厳しい批判を加えた。また記者団から、出生率が1.25に低下したことへの所感も問われ、従来から何度も予想を下回る数字が出ているとして、「決して小さな下がり方ではない」と指摘。その背景として、「社会構造の根本がこの5年間、特に壊れてきたことが象徴的に現れている」とし、「人間と人間の関係が非常に薄れてきている」ことに改めて懸念を示した。
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