衆議院本会議が18日に開かれ、内閣提出の「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法及び石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計法の一部を改正する法律案」の趣旨説明と質疑が行われた。質疑では民主党・無所属クラブの山田敏雅議員が登壇し、地球温暖化対策としての電気自動車プロジェクト、石油特別会計見直し、環境税導入などについて政府の対応を質した。
山田議員は質問の冒頭、イラク問題に言及。本会議開会の直前、小泉首相が、新たな国連決議のないままイラクへの武力攻撃を強行する意向を固めた米英などを支持すると表明したことについて、「唯一の被爆国として、国連を中心に世界の恒久平和をめざすのが日本の立場ではなかったのか」と抗議した。しかし川口外相は、「やむをえない行動」「米国は攻撃を行う場合も関連の安保理決議に沿って行動すると考えている」などと答弁し、政府の言う国連中心主義が米国追随一辺倒のカモフラージュでしかないことを自己暴露した。
政府法案をめぐって山田議員は、まず地球温暖化問題を取り上げ、省エネルギー対策などをやり尽くした日本にとっては新しい環境産業の創出が必要だと提起。自動車排気ガスをゼロにするために、国家的プロジェクトとして電気自動車の開発・普及に取り組むことを提案した。これに対しては平沼経済産業相も「環境を守る有望な分野だ」とし、積極的に取り組む意向を明らかにした。
次に山田議員は、特別会計の問題を指摘。毎年5千億円近い剰余金が出ている石油特別会計や1200億円の剰余金が出ている電源開発特別会計について、それぞれ不正運用や無駄遣いの事実を具体的に挙げながら歳出のチェックがあまりに甘いことを批判し、特別会計制度の見直しを迫った。しかし平沼経産相は、「効率化に努め、地域・国民に納得してもらえるあり方をめざす」などと答えるにとどまった。
また山田議員は環境税の問題も取り上げ、自動車ユーザーが負担している9種類・年間9兆円の税金にさらに環境税を加えれば個人消費の冷え込みをもたらすと主張。環境税導入の前に税制の整理統合を進めるべきだと求めた。鈴木環境相は、環境税について、2005年度以降に導入が必要とされた場合に備えて検討を開始した段階だと答弁。また自動車関連税について、日本における税負担は国際的に見て高くないとし、引き下げは適当でないとの考えを述べた。
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