米英両国によるイラクへの攻撃開始という事態を受けて、民主党の菅直人代表は20日午後、緊急に記者会見し、両国が武力行使を一刻も早く中止するよう表明するとともに、両国の駐日大使を通じて抗議の申し入れを行っていることを明らかにした。
菅代表は、同日昼前に始まった米国などの武力行使について、「反対してきた民主党としては大変残念な展開。少なくとも、査察の継続を求めるのは、わが党だけではなく、おそらく国連安保理の多数意思でもあった。米国等の行動は、戦後、国連に国際紛争を解決する機関としての機能を持たせてきたことを踏みにじるもので、今後の国際協調に大変大きな影を落とした」と表明した。
午後の本会議で小泉首相が行った報告については、「率直に言って、胸に迫ってくるような言葉は何一つ感じられず、役所の作った文章を読み上げているにすぎない。『イラクが国連を侮辱した』という言い方もしていたが、同時に米国の行動も国連の権威を高めるものではなく、これを無視した行動であり、矛盾に満ちた説明だった」と強く批判した。
菅代表はまた、19日の党首討論で小泉首相が「民主党は日米関係を重視していない」と述べたことについて、「日本にとって日米関係が外交政策の基軸であるという前提ですべてのことに当たっている。そういう関係の米国だからこそ、米ソ体制が崩れて唯一の超大国になり、ユニラテラリズム、一国主義的な行き方をすることに対しては、パートナーとしてたしなめることが必要。米が一国で仕切ることを容認することは、米国にとっても望ましくないこと」と反論した。
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