参議院予算委員会で24日、外交と経済をめぐる集中審議が行われ、民主党・新緑風会の齋藤勁、峰崎直樹両議員が質問に立った。
齋藤議員はイラク攻撃をめぐって質問。国内外の世論に背を向けて米国大統領支持を断言した小泉内閣の姿勢、武力行使に至る根拠のあいまいさ、日本外交の基軸等について質した。
齋藤議員はまず、湾岸戦争、ボスニア紛争等で米軍が使用してきた劣化ウラン弾による深刻な被害を取り上げ、99年の国連で使用禁止が主張されたにもかかわらず、それを阻止したのは他ならぬ米国だと指摘。その上で「(それでも)米国の武力行使を支持した判断にまちがいないと思うか」と小泉首相に質した。首相は「武力行使なしの解決をすべての人が望んでいたが、現在において国連決議を遵守してこなかったイラクの状況を考えるとやむを得ぬ決断だった」と答弁した。
齋藤議員はまた、国連監視検証査察委員会のブリクス委員長はじめ現地査察団が「まだ査察を行う余地がある」としていた段階で、強引に査察を中断した米国大統領の不合理さを指摘。齋藤議員は、武力攻撃支持の表明の前に、日本政府が掲げた国際協調と日米同盟の両立は崩れ去ったと指弾した。
齋藤議員は、日米同盟は今回のような「追従」ではなく「言うべきことは言う姿勢」が不可欠だと指摘。さらに、今回の米国の行動は国連憲章に違反するものであり、これを肯定すれば“米国が不服を申し立てればいつでも他国を攻撃できる”とする危険な前例となり得るとの考えを示し、国連の役割を根底から揺るがしかねない事態に対する政府の無自覚を厳しく批判した。
齋藤議員に続いて質問に立った峰崎議員は、与党側から出されている長期保有株式への時価会計導入の一時凍結論について、「ライオンに遭遇したダチョウが首を砂の中に突っ込んでいるようなもの。危機を見たくないと言っているに等しい」と批判した。
与党側の主張は、イラク攻撃を踏まえた緊急経済対策を協議するため政府・与党と日銀が23日に開いた会合で出されたもの。竹中金融・経済財政担当相は、「何かを決めるという会合ではなかった。企業会計の原則は、経済のインフラの中でも重要なもの。一般に公正・妥当と認められる会計の原則は堅持していかなくてはならないが、何が一般に公正・妥当と認められるかということについての意見だと思う」などと、歯切れの悪い答弁に終始した。
|