民主党『次の内閣』(ネクスト・キャビネット)が2日、閣議を開き、野党4党共同でとりまとめを進めている個人情報保護法案、健康保険法改正案についての報告などが行われた。
閣議の冒頭、菅直人ネクスト総理は、「イラク戦争が泥沼化している。テロをなくすためといって米国が無理に始めた戦争によって、テロが拡散するという結果になることを危惧する。本来あるべき外交の姿について、根源的な議論が必要だ」と挨拶の中で見解を述べた。
続いて、枝野幸男ネクスト官房長官は、個人情報保護法案、緊急事態法制、健康保険法改正について以下の通り現状を報告した。
1)個人情報保護法については、民主党ほか自由党、日本共産党、社民党の野党4党で対案をつくり、国会提出の運びとなった。政府案が早期に審議される見通しの中で、野党案の国会提出の時期については国会対策委員会に委ねる。野党案は、第三者機関を設置することによって、自己情報コントロール権(=個人情報の取得、利用、第三者に対する提供等に関し本人が関与すること、その他の個人の権利利益)を保護することなどが盛り込まれている。
2)緊急事態法制については、昨年来、民主党の基本的考え方と、政府案に対する10項目の指摘がすでに党議決定されている。それら政治文書を法文になじむ形で整理しつつあり、日程が整い次第、党内で協議を開始する。
3)政府の健康保険法改正の強行により、4月1日から被用者の窓口2割負担が3割負担となった。野党4党は、3割負担を当面2割のまま凍結すべきであると主張し法案を提出していたが、今後は3割負担を2割に引き下げる法案を国会提出する作業に入る。
引き続き行われた報告・協議での主な案件は、以下の通り。
1)「犯罪被害者基本法案」(民主党議員立法)の国会再提出が了承された。2)「保険業法の一部を改正する法律案」について中間報告があった。3)「国立大学法人法案」関係6法案の対応について中間報告があり、国立大学の独立法人化は一見改革のように見えるが、文部科学省の関与が続き大学の独立性がそこなわれる危険性がある等の意見が出された。
法案審査では、「雇用保険等の一部を改正する法律案」(反対の方向)など13案
件が処理された。
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