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2002/11/07
【参院法務委】江田議員、人権擁護法案の抜本改正求める
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 民主党の江田五月参議院議員は、7日に開かれた法務委員会で人権擁護法案の問題点を指摘し、抜本改正の必要性を示した。

 江田議員は冒頭、先月25日に暴漢に刺され、無念の死をとげた石井紘基衆院議員の事件に触れ、現在、犯人側からの一方的な情報だけが報道され、“金銭的なトラブル”といった世間の心証が形成されているのは無念だと述べ、事件の背景についての徹底した捜査を森山法相に要請した。

 実質審議に入った人権擁護法案については、「人権侵害による被害の救済機関の設置は実現しなければならないと考えるが、政府案にはあまりにも重大な問題がある。政府案を抜本改正して遅滞なく法案を成立させたい」との立場を明らかにし、質問を行った。

 江田議員はこの法案提出にいたる背景・経緯には人権擁護を目指す2つの大きな流れがあるとの見方を示し、1つは部落差別問題を原点とする日本国内の流れ、もう1つはパリ原則に代表される国際社会の流れだと指摘。「(法案策定に向けた)調査・審議の過程では十分なヒアリングを行った」などとする政府答弁に対して、「部落解放運動を行っている人たちの思いはこの法案に入っているか」と質し、その内容の不十分さを改めて指摘した。

 また、98年の国連の国際人権規約委員会の最終勧告で「警察や入管職員による虐待を調査し、救済のため活動できる法務省などから独立した機関を遅滞なく設置する」べきことが指摘されたにもかかわらず、本法案はその勧告に明らかに反すると分析。法務省の外局とすると定めている人権委員会の「独立性」と報道規制、人権救済の「実効性」の3つの重大な問題点を指摘し、人権委員会の公正性を担保するために内閣府に置くとした民主党案の有効性を示した。

 さらに江田議員は、人権擁護法にメディアに対する規制が設けられている国は他にないことを確認し、「人権委員会という公権力が人権侵害救済の名目で表現の自由、言論の自由を侵害するのは本末転倒」と厳しく批判。また、全国の8つのブロックに人権問題の地方事務所を置き、他は地方法務局に委任することで対応するとしている政府案の実効性の乏しさにも言及し、中央人権委員会の下に、都道府県には地方人権委員会を置き、さらに市町村において活動する人権擁護委員を置くとしている民主党案をあらためて検討するよう求めた。

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