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2002/11/08
【衆院本会議】木下議員、構造改革特区法案の欠陥を指摘
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 8日の衆議院本会議において、内閣提出の構造改革特別区域法案の趣旨説明と質疑が行われ、民主党から木下厚議員が質問に立った。

 木下議員はまず、朝日新聞の世論調査を引きながら「今回のデフレ対策では経済の立て直しを期待できないと答えた国民が75%、小泉首相は経済対策で指導力を発揮していないと答えた国民が63%。国民の苛立ちを端的に示している。この中途半端なデフレ対策で本当に景気が良くなると考えるのか」と質し、小泉首相に今後の経済の見通しを明らかにするよう迫った。また、与党や経済界から出ている大型の先行減税や補正予算の編成、国債発行30兆円枠突破などの強い要請にどう対処するか、首相の考えを質した。

 小泉首相は、構造改革の加速策と雇用のセーフティネット策を具体化しデフレを克服するなどとしたが、具体的な展望は語ることができなかった。先行減税や補正予算については「既存の予算を最大限に活用していく」と述べるにとどまった。

 構造改革特区法案をめぐっては、省庁の抵抗を排除するために内閣に推進本部を設置し、リーダーシップを発揮できるような体制をとったなどと首相が述べていることを取り上げ、「その内実は違う」と指弾。地方公共団体などが提案した約900項目余りの規制緩和要望のうち、認められたのは93件にとどまっている実態を明らかにした。また、認められた項目についても、特区の認可や企業参入に際して、それぞれの項目に厳しい条件が付記されていることを指摘し、「省益を温存したいという関係省庁の抵抗によって、許認可のハードルを上げ、省庁の裁量余地をできるだけ残そうとしたもの」と批判。構造改革特区法案は規制改革の遅れをカモフラージュするための方便にすぎず、全国規模の規制緩和・撤廃の動きを遅らせる隠れ蓑にすぎないと断じた。

 木下議員はまた特区制度について、「地方分権の推進という観点からすれば、地域を限定した特区を設けるのではなく、規制している法律を廃止し、地方公共団体の特性や実情に応じて規制を条例に委ねるという考えもあるのではないか」と質したが、鴻池担当相は「引き続き規制改革の充実に努めていく」などと述べたにすぎなかった。

 さらに木下議員は、特区制度の目玉とされていた学校・病院経営への株式会社の参入が見送られた点について、今後の対応を質した。同時に、記者会見で鴻池担当相が「教育と医療の2点で、私自身もすっきりしない」と不満を口にしたとされることについても、真意を尋ねた。小泉首相は「学校・病院経営への株式会社の参入については、引き続き、関係者の意見も聞きながら議論していく」とし、鴻池担当相も「関係大臣に検討要請を強く行った」と述べた。

 木下議員は「特区法案の内容を一言すれば、金融機関の『貸し渋り』と同様、中央官僚による規制緩和と地方分権の『出し渋り』。総理のリーダーシップはないに等しく、『改革なくして成長なし』はまさに看板倒れと言わざるを得ない」と厳しく批判。中央から地方へ、官から民へという真の構造改革を実現するために、地方公共団体や民間の要望をできるだけ反映させるような柔軟で大胆な特区制度にすべきだと改めて提起した。また、省庁や地方公共団体の既得権確保のために使われたり、族議員の圧力によって認可が左右されることのないようチェック態勢の強化も必要だと重ねて指摘した。

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