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2002/11/25
【参院予算委】円議員、資産デフレの解決を強く要求
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 参議院予算委員会の25日の集中審議で、民主党・新緑風会の円より子議員が質問に立ち、政府の経済対策、とりわけ資産デフレ克服の展望を中心に閣僚を追及した。

 円議員はまず、「失われた10年から復活の10年への転換のためには、資産デフレ克服こそ必要」という認識を示し、株・不動産で1570兆円もの国富が失われたことが経済活動に深刻な影響を与えている事実を指摘。しかも、土地担保融資のメカニズムが崩壊した下での金融財政政策の失敗が信用収縮を一層加速してきたとして、関係閣僚の見解を質した。

 しかし、塩川財務相は、「外国は日本を“強い国”だと見ている」「バブルの話は、架空の土地の価格に目がくらんでいたのが、やっと醒めたという話。失業者が増え、職がなくなっているということが最大の問題」などとはぐらかした。小泉首相も、「デフレ克服なくして改革なしではなく、改革なくしてデフレ克服はない」などと対置するだけで、無内容な答弁に終始した。

 また関連して円議員は、失われた国富を国民の個人金融資産で穴埋めするために2004年の新円切り替えに伴う預金封鎖が検討されている問題を追及したが、塩川財務相は「そんなことは全然考えていない」と否定した。

 円議員は、国民の1400兆円の個人金融資産が実際には大きく目減りしているなど、資産の簿価と時価との間に大きなギャップがあることを強調。資産価値が下がり続けているという資産デフレの問題を明確にし、そこに切り込むべきことを提起した。しかし、竹中担当相は「時価と簿価が一致しないという問題はあるが、バランスシートの調整を徐々に進めていく力が日本経済にはある」などと追及をそらせた。

 さらに円議員は、デフレ脱却に向けて金融緩和を通じた円安誘導策をとる考えがないかを質したが、参考人の速水日銀総裁は「諸外国のへの影響を考えると慎重にならざるをえない」などと述べた。

 最後に円議員は、「“復活の10年”への転換のためには、小泉首相が一刻も早く退陣すべきだ」と述べて質問を終えた。

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