民主党のBSE問題対策本部(本部長:山岡賢次副代表)で企画された「米国産牛肉輸入問題キャラバン隊」は4日夕方、菅直人代表代行らを先頭に札幌市内において街頭演説会を開催。拙速な米国産牛肉の輸入再々開は、その安全性に大きな疑問があるなどと指摘しつつ、その現状や問題点を、演説に聞き入る多くの聴衆の皆さんに訴えかけた。
この演説会でまず山岡本部長は、「日本の政府が言っている検査の状況と、米国内において行われている牛肉の処理作業は全く違う。流れ作業で肉の色を見ただけで、20ヶ月以下の牛かどうか分かるわけがない」などと、米国における検査体制の杜撰さを厳しい口調で指摘。「政府は、10年、20年先にならなければ発症しないからといい加減にやっているが、私たち政治家は国民の健康、食の安全に責任を持たなくてはならない」との問題意識を明らかにし、民主党の姿勢に理解を求めるとともに、「子どもたちの食の安全をともに守っていこう」などと訴えかけた。
菅直人代表代行も、「政府が米国産牛肉の輸入再開を決めたのは、調査機関がまだ米国内で調査をしている間だった」として、「まず輸入再開ありき」の政治姿勢を厳しく批判。提出を要求してきた調査報告書も、ようやく5月になって明らかにされたものの、多くの部分が「黒く塗りつぶしてあった」との事実を指摘し、政府の隠蔽体質についても厳しい批判の目を向けた。
更に菅代表代行は、「私たちは、米国とことを構えようとして、牛肉の輸入再開を拒んでいるわけではない」とし、「日本国内で行われている検査と同じ基準で、米国でも(検査を)やってもらえればいい」との認識を示した。そして、「私たちが口にするものは、できるだけ私たちの国内でつくるようにしよう」と呼びかけるとともに、「消費者が、これなら安心、これなら美味しいと食べてもらうのが一番だ」として、食料自給率の向上に向けて農林漁業再生プランを打ち出すなど、農林漁業をめぐる諸課題に対して真剣に取り組む民主党への一層の支持を求めた。
この日の街頭演説会には、荒井聡(国会対策委員長代理)・川内博史(団体交流総局長代理/経済団体局長)、篠原孝(農林水産団体局長)・松木謙公(国対副委員長)の各衆議院議員、和田ひろ子・松下新平両参議院議員も参加。それぞれ、米国産牛肉の安全性と輸入再々開の問題点、検査体制の不備などについて訴えを展開した。
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