10日、民主党新代表を選出する両院議員総会が東京都内のホテルで開かれた。党規約に基づき、佐藤観樹総会長・藁科満治総会長代理が共同座長として進行・運営を務めるなか、伊藤忠治中央代表選挙管理委員長が経過を報告し、続いて立候補の届出をした岡田克也候補、菅直人候補が登壇し、それぞれ10分ずつ政権表明・決意表明を行った。
岡田候補は「国民から民主党に対する信頼が大きく損なわれ、民主党は結党以来の危機にある。この民主党を救い、国民の信頼を取り戻すには今までのやり方ではダメだ。新しいリーダーが登場して、新しいやり方でやっていかなければこの党が立ち直ることはできない。そういう思いのなかで自らを捨てて立候補した」と表明。岡田候補は今の民主党の状況を打開するには一人ひとりの意識が根本的に変わらなければならないとして党改革の必要性を訴え、多数決原理を規約に盛り込み、徹底した議論の後には多数決による意思統一をはかる必要性を示した。また、党の透明性と説明責任を向上させるのも不可欠だとした上で、民主党が目指す日本の姿を示す「2020年ビジョン」を策定し、改革先送りの小泉内閣をきびしく対峙すると同時にきびしい状況下にある国民に対してしっかりとした民主党の政策を提案していくとした。
続いて登壇した菅候補は「民主党はがけっぷちにある。これ以上の混乱を起こさないためにどう行動すべきか悩んだ。しかし結果として選挙戦を戦ったが、この選挙が終われば、新代表のもと一致結束して頑張ろうという思いだ」とした。菅候補は民主党の危機の原因について、国民の気持ちを反映するものではなく、内向きの議論のなかで行動しているという印象を国民の多くに与えてしまっていることにあると分析。また菅候補は、日本の経済危機の根本原因は政官業癒着の自民党政治が税金の使い道を長年にわたってねじ曲げてきたことにあるとの見方を示し、「政官業癒着構造の自民党政治を打ち破ることができるのは民主党だけだと考える。何とかそうした改革の先頭に立たしてほしい」と訴えた。代表就任後は、第一に小泉首相と特に経済政策を中心とした徹底的な議論を展開し、さらに政権野党とはちがう選択肢を有権者に示し、代表として小泉首相と一騎打ちにのぞむ構えがあると述べた。
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