参議院本会議で2日、心と体の性の不一致に苦しむ性同一性障害者に関して、家庭裁判所の審判で戸籍上の性別変更を認める「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法案」を全会一致で可決した。
民主党が議員立法化を進めてきた同法案は、内容において与野党とも異論がなかったため、与野党一致の法務委員長提案という形で、参院先議で提出された。
同法案は、専門的な知識がある2人以上の医師が、性同一性障害と診断した人が対象。家裁の審判を受ける条件として(1)20歳以上(2)結婚していない(3)子どもがいない(4)性別適合手術で、生殖能力がない(5)身体に他の性別に係る性器に近似する外観を備えている等の条件を定めた。また、当事者から「子どもがいても性別を変えられるようにしてほしい」などの要望が出ているため、3年後の見直し規定も盛り込んだ。
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