トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2003/05/22
【衆院本会議】民主党提出の「難民保護法案」が審議入り
記事を印刷する



政府提出の「出入国管理及び難民認定法改正案」への対案として民主党が提出した「難民等の保護に関する法律案」が22日、衆議院本会議で政府案とともに審議入りし、今野東議員が民主党案の趣旨説明、近藤昭一議員が両案への質問、山花郁夫議員が民主党案への質問に対する答弁に立った。

 今野議員は、趣旨説明のなかで、日本が1981年に国連の難民条約を批准したにもかかわらず、昨年度難民申請をした250人中わずか14人しか難民認定されないなど、「日本の入管・難民認定行政や難民への生活支援があまりにも難民に対して冷たく厳しいのが実態」だと指摘し、難民条約を基準にした難民認定・生活支援のための新しい法制度の必要を訴えた。

 民主党案は、(1)難民認定業務を法務省の入国管理業務から分離し、内閣府の下に新設する「難民認定委員会」に移管(2)現在、法的地位を認められていないために入管施設に強制的に収容される難民認定申請者に対し、特別の在留資格を与える(3)難民の多くを占める第3国経由の入国者についても難民認定申請を認める(4)弁護士の関与や不認定理由の本人への開示を認め、認定プロセスを透明化する(5)不認定処分について行政不服審査法上の異議申立を認める(6)難民認定者に対する生活相談、日本語習得、保険・医療の確保、居住の安定、職業訓練・あっせん、就学などについて「生活支援計画」を策定し、NGOなどの協力を得て支援を実施する──などを盛り込んでいる。

 質問に立った近藤議員は、日本の難民認定制度の根源的な問題として、「外国人の入国・在留管理を行う入国管理局が、国際的な保護を必要とする難民の受け入れをも担当している」点を挙げ、根本的な見直しが必要と主張。政府案で新設するとしている「仮滞在許可制度」についても、「多くの難民は、第3国経由での入国など、仮滞在許可の除外事由に該当するため、実際には許可は与えられないのではないか」と疑問視した。

 これらの質問に対し、森山法相と山花議員がそれぞれ答弁。「今回の法改正と難民の増減は直接関係ない。入管業務と難民認定業務の兼務には合理性がある」などと答える森山法相とは対照的に、山花議員は、「取り締まる組織である入管と、締め出すのではなく庇護を与える業務である難民認定業務が一体なのは根本的な制度矛盾だ」などと述べ、民主党案の正当性を訴えた。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.