「5・23石川一雄不当逮捕40ヵ年糾弾!狭山再審要求!特別抗告審闘争勝利!中央総決起集会」(部落解放同盟中央本部・部落解放中央共闘会議等主催)が23日午後、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた。民主党部落解放推進委員会・狭山再審対策小委員会事務局長の田並胤明議員が党を代表して挨拶に立った。
田並議員は、「民主党としても、1日も早く石川さんの無罪をかちとるために闘う。国会では、司法制度改革が議論されているが、たんに判決を早くするだけでは、冤罪事件が後を絶たないことになる。透明で公正な裁判を実現することが重要だ」と述べ、狭山事件の再審開始の門をこじ開けるためにも、検察側の持つすべての証拠の開示を可能にするための刑事訴訟法の改正を何としても実現する決意を明らかにした。
埼玉県狭山市内の被差別部落に住む青年、石川一雄さんが、身に覚えのない女子高校生誘拐・殺人事件の犯人として別件逮捕された日から、23日でちょうど40年。石川さんは第一審後から一貫して無実を訴え、検察側が提出した証拠にも数々の捏造、疑問点が明らかになったが、無期懲役の判決が確定。部落解放同盟や多くの労働団体、市民団体が冤罪事件として抗議の声を上げ続けた結果、石川さんは94年、仮出獄となった。最高裁はいまだに再審開始のための事実調べも行おうとしていない。
「殺人犯」としての汚名を着せられたままの石川さんも壇上に元気な姿を見せ、32年間の獄中生活を含む40年間の冤罪との闘いについて、「残念ながら40年たってしまったが、必ず再審開始に向けた最高裁での事実調べは始まると考えている。この40年間、多くの仲間に支えられてきたことが一番うれしかった」などと語った。
会場は、全国から集まった部落解放同盟員や労働組合員、市民の熱気に包まれ、弁護団の報告や石川さんの発言に惜しみない拍手を送った。民主党からは、田並議員のほか、角田義一参議院議員会長、松本龍、大谷信盛、井上和雄の各衆議院議員、民主党会派所属の山口壮衆議院議員らが参加した。
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