民主党の上田清司議員は28日、衆議院予算委員会の集中審議で質問に立ち、先の日米首脳会談に関する外務省の説明資料から「対話と圧力」の「圧力」の文字が削除された問題について「外務高官の判断で勝手に削除されるとは、まさに対北朝鮮二元外交ではないか」などと外務省の姿勢を批判した。小泉首相は「内容を全部公表するわけではない。二元外交ではないのでご安心を」と述べるにとどまった。
上田議員はまた、外務省が、北朝鮮による拉致事件に関する国連人権委員会から関係国政府への照会に対し、「(02年11月の拉致事件被害者家族の国連人権委への申し立て以後)失踪者の有用な情報はない」などとするわずか1枚、12行の回答書を3月に提出していたことを取り上げ、「あまりにひどい対応だ。この回答書は誰がどのように作成したのか」と質した。茂木外務副大臣は、「対応に至らない点があった。家族の立場に立ってものを考えるように、担当部局を指導した」と陳謝した。
りそな銀行グループへの公的資金注入問題では、「(国内業務しか行わない)りそな銀行を、なぜ他のメガバンク並の10%超の自己資本比率になるように、2兆円もぽんぽん出すのか。説明もほとんどない。これでは国民は許さない」と政府の姿勢に疑問を表明した。
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