衆議院で与党と民主党の合意により修正された武力攻撃事態対処法案など有事関連3法案が6日、参議院本会議で与党3党、民主党、自由党の賛成で可決・成立した。
採決に先立つ討論では、民主党・新緑風会から榛葉賀津也議員が賛成討論に立ち、「当初の法案は、シビリアンコントロールが不十分、基本的人権にかかる規定があいまいなことなど、多くの問題点が含まれていたが、民主党が『緊急事態対処基本法案』という明確な対案を衆議院で提出、縦割り行政の弊害を排した『危機管理庁』の設置なども真正面から示した結果、政府・与党案の不備を補う形で、法案の根幹に関わる部分での改善が見られた。民主党は、修正案の共同提出者として、修正協議での約束や委員会審議での確認項目などを中心に、国民が安心できる法律の整備、運用をしていくようチェックする重大な責務を果たす」などと表明した。
今回、与党と民主党は、(1)基本法の制定について、政党間で真摯に検討し、速やかに必要な措置をとる。国民保護法制の制定は1年以内を目標に実施(2)「憲法14条(法の下の平等)、18条(意に反する苦役の禁止)、19条(思想及び良心の自由)、21条(表現の自由)、そのたの基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない」との条文を追加。基本的人権の尊重は「国民保護法制」でも措置(3)国会の議決で対処措置を終了させる手続きを追加(4)危機管理庁の設置について、法律附則に「迅速かつ的確な対処に資する組織のあり方について検討を行う」旨追加(5)首相の自治体への代執行に関する法14条、15条、16条については、国民保護法制の制定後を念頭に、「別に法律に定める日から施行」とする条文を法律附則に追加−−とすることで合意し、衆議院の審議の最終段階で法案を修正するとともに、基本法の制定や危機管理庁の設置については今後検討を進めることになっている。
参議院本会議では、小泉首相のサミット報告に対する質疑も行われ、民主党・新緑風会からは長谷川清議員が質問に立った。長谷川議員は、イラク復興支援をめぐり、日本が重点とすべき分野、財源、自衛隊の派遣などについて小泉首相の方針を質したが、首相は「今後の事態の推移を見守る必要がある」と述べ、具体的な答弁を避けた。
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