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2003/06/09
【参院本会議】浅尾議員、政府の無展望な雇用政策を批判
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参議院本会議で9日、与党3党と民主党、自由党の合意に基づく修正を含む労働基準法改正案について質疑が行われ、民主党・新緑風会の浅尾慶一郎議員が政府の雇用政策の問題点を追及した。

 浅尾議員はまず、小泉首相にその雇用・労働政策の基礎となるビジョンを質した。しかし首相は、「安心して働ける環境の整備」「良好な労組関係の維持」など一般的な題目を並べたのみで、経済状況や社会情勢の変動に対する認識さえ欠落したお粗末な答弁だった。

 労働基準法改正案をめぐっては、有期労働契約の期間上限延長が常用雇用の代替を加速し、雇用の不安定化を促進する恐れがあること、また裁量労働制の適用緩和によって対象労働者の範囲がいたずらに拡散することへの防止策はあるか、などについて質問した。前者について小泉首相は「常用雇用と有期労働者との構成は各企業の事業戦略の一環」などと民間に問題を転嫁し、ただちに不安定化は招かない、などと無責任に答弁。裁量労働制の対象労働者の範囲についても、「無限定な拡大はない」としただけで、その根拠には触れなかった。

 浅尾議員は、雇用情勢が悪化の一途をたどる中で、民間のあらゆる産業と比較しても最も高い公務員の給与・退職金を一定程度引き下げることによって失業者への生活補助や職業能力開発事業に充てる「パブリックワークシェアリング」を検討すべきだ、と問題提起。しかし首相は、公務員の給与は国家・地方ともに民間準拠で決められているなどとし、公務員の給与を引き下げる考えのないことを明らかにした。

 さらに浅尾議員は北朝鮮問題にも触れ、拉致事件はテロであるという認識のもとに北朝鮮への送金を停止する措置を検討すべきだと主張。しかし首相は、「現時点で経済制裁は考えていない。しかし、さらに事態を悪化させた場合には、適切な措置をとる」と述べるにとどまった。
 
 また浅尾議員は、この日の質問内容を6日の時点で厚生労働省の担当者に通告したが、同日中にその趣旨に反対だという公務員の人からのメールが届いた事実を明らかにし、「公務員の守秘義務に反する」として政府の情報管理の問題を指摘した。首相は、「まず事実の確認が必要。事実だとすれば問題だ」とした。
 
 浅尾議員は、こうした首相の答弁が不十分だとして、再質問。有期労働契約の期間上限延長で常用雇用の代替が起きないという根拠、全国一律で国家公務員準拠となっている地方公務員人件費の基準財政需要算出にあたって地域の実情を反映した補正係数を入れるという提案に対する見解、質問内容漏洩問題について政府として事実関係の確認を行う意思の有無、の3点を首相に質した。しかし首相は、「すべてすでに答えている」とつっぱねた。

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