鳩山由紀夫幹事長、渡部恒三国会対策委員長、平野博文・荒井聰両国会対策委員長代理は8日午前、国会内で開かれた野党幹事長・書記局長会談に臨んだ。今国会では初の開催。民主党はじめ共産、社民、国民新の4党が顔を揃え、終盤国会での対応について意見交換し、共闘態勢を強化していくことを確認した。
会談後に鳩山幹事長は、国会内で発言し、会談の冒頭で開催の呼びかけに応じてくれたこと、および今日までの野党協力に謝意を示すとともに、「国民のためにできる限り、協力をお願いしたい」と伝えたことを明らかにした。
鳩山幹事長は終盤国会におけるいくつかの法案の処理に関して会談で提案。第一には、社会保険庁による国民年金保険料の不正免除問題、村上ファンドやライブドアの事件等に関して徹底的に追及していくべきとの意向を示し、3野党に協力を呼びかけた。
また、BSE対策整備が万全でないにもかかわらず政府が米国産牛肉の輸入を改めて再開するとしていることに関しては、「国民の食の安全を守るためには拙速な輸入は断固阻止しなければならない」という視点での野党協力を提案。この点に関してはあわせて、「拙速な米国産牛肉の輸入を止める国民大集会」と題する集会を来週13日に都内の憲政記念館で行う予定であることを改めて案内し、一致した行動を求めた。
「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の扱いについても会談で話し合われ、鳩山幹事長は強引なやり方で迷走する与党・自民党の提案には真っ向から反対だとの意思を表明したうえで、今国会で廃案を目指していくべきと伝え、合意を得た。
同時に鳩山幹事長は「特別委員会での法案であるからには継続審議というのはおかしい」と述べ、教育基本法改正案の扱いをめぐっては次の国会が新しい首相・新内閣の下で召集される以上、継続審議でなく廃案にするのが妥当だと指摘。この点に関しては各政党からおおむね賛成であるとの見解が示された。
教育基本改正案の今後の取り扱いに関してはまた、鳩山幹事長は教育の在り方を議論する「教育基本法調査会」の設置を会談で提案した。鳩山幹事長によれば、一年あるいは一年半かけて、教育の在り方に関して慎重に議論を進める必要があるとの観点から、憲法調査会に順ずるような調査会を設置し、現在民主党が提出している日本国教育基本法案が党の考え方のベースにはなることには変わりはないが、一旦は取り下げて審議を行っていこうというもの。「そのやり方が教育基本法の審議には一番ふさわしい」とも鳩山幹事長は語った。
なお、各党からは高齢者の負担増につながる医療制度改革関連法案も廃案に追い込むべきとの意向が示され、強行採決を阻止していかなければならないとの考えで一致。また、米軍再編問題に関して、「巨額を投じられるといるにもかかわらず一切国民に明らかにされないまま進められているのは問題」との指摘があり、予算委員会の集中審議などを通じて追及していく方針で一致した。さらには、小泉改革の5年間を総括すべきとの指摘があった。
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