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2005/02/02
【衆院予算委】鳩山議員、北朝鮮問題はじめ政府に前向きな外交を要請
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 衆議院予算委員会で2日、民主党の仙谷由人政策調査会長に続き、『次の内閣』ネクスト外務大臣の鳩山由紀夫衆院議員が質問に立ち、外交問題を中心に小泉首相らの認識を質した。

 鳩山議員はまず、インドネシア・スマトラ島沖大地震に伴う津波災害支援に関して、「超党派で協力していきたい」と小泉首相に呼びかけ、再来週に鳩山議員自身が現地に赴いて行う視察結果を報告すると述べるとともに、引き続きの政府支援を要請した。

 続いて鳩山議員は、寺島実郎氏の著書『脳力のレッスン』にある「9・11からの世界の空気の中で、日本の選択は思考停止とでも言うべき状態であった。この国を守ってくれるのはアメリカしかいないという貧困な固定観念のなかで、自衛隊をイラクに派遣してしまった」とする前書きを引用し、今回の通常国会の質疑でも未だに思考停止の状態が続いていると断じた。その上で鳩山議員は、「戦闘地域と非戦闘地域。極めて非論理的な答弁で“それでいい”というのは国民の信頼を失うものであり、決着をつけてもらいたい」として、首相に答弁の機会を提供したが、首相は「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だというのは極めて分かりやすい適切な答弁とだったと思う」との答弁に終始した。

 鳩山議員は続いて、イラクの国民議会選挙について「確かにイラクの人々があのような状況の中、選挙に行ったことは評価したい。しかし、あれで終わったとするのは危険」と述べ、シーア派とスンニ派の対立構造や内戦にも発展しかねないクルド人への配慮の必要性を指摘した。また、ブッシュ大統領が就任演説で「圧制から自由へ」を掲げて国際社会に協力を要請し、ライス国務長官が、圧制が行われている国家としてジンバブエ・イランなどを名指したことへの認識を質したのに対して首相は、「どの国民も圧制から解放されるというのは理想」「しかしイランに対しては圧制国家という認識はない。日本はアメリカではない。キューバともミャンマーとも友好関係を結んでいる。アメリカと協力関係は結ぶが、日本独自で行うこともある」とした。鳩山議員はこうした答弁を引き出した上で、「ぜひその方向で」として日本独自の外交姿勢をとるよう釘を刺した。

 鳩山議員はまた、「自衛隊の早期撤退」を求める民主党の姿勢を改めて表明した上で、オランダ軍撤退後の自衛隊の安全確保の確立、態勢の早期整備を強く要請した。さらに「国際協調でいくか、対米重視でいくかという議論が必要」との認識を鳩山議員は示し、どうバランスをとるか、新たな国の形の構築に向け憲法議論を深めていく必要性を指摘した。

 北朝鮮問題では、横田めぐみさんの遺骨が偽者であったにもかかわらず、強い抗議姿勢を何ら示さない政府に対して、鳩山議員は「国民の理解は得られない」と批判。経済制裁も辞さない強い姿勢で対処する必要性を指摘した上で、全閣僚の基本認識を質した。しかし、官僚は自らの考えは何ら示さず、小泉首相は「政府一体で取り組んでいる。閣僚も政治家ですから意見もあるが、一致している」などと答弁した。鳩山議員は「基本的には政府のやり方に従うだけということか。それでは国民には見えてこない。さびしい思いで答弁を聞かれた拉致被害者家族の方もいる」とした上で、民主党は拉致問題解決に向け人権侵害救済法案提出の準備を進めていることを明らかし、政府の前向きな取組みを重ねて求めた。

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