参議院国土交通委員会は8日、マンションなどの耐震構造偽装問題について閉会中審査を行った。民主党・新緑風会から、大江康弘議員に続いて質問に立った佐藤雄平議員は、政府が進めてきた規制緩和や構造改革の中で、「安全」は担保されてきたかと追及した。
佐藤議員は冒頭、ここ1年、航空運行や列車事故など、耐震構造偽装事件のほかにも安心安全に関わる問題が起きていると指摘し、「なぜあんなことがおきたか背景について伺いたい」と見解を質した。北側国土交通大臣は、責任の所在と割合はもちろん明らかにすべきだが、安全性の確保を最優先に対策を取ってゆきたいと表明。これに対して佐藤議員は、建築確認・検査制度が作られた背景を明らかにして問題点を取り除く必要があると釘を差した。
佐藤議員は続いて、建築基準法改正に関する一部報道について質し、山本住宅局長は「指定確認検査機関と地方公共団体の責任関係を明確にする観点から、社会資本整備審議会にご検討いただく非常に大事なテーマ」だと答弁。北側国交相は、民間の指定検査機関による建築確認を、特定行政庁が取り消す権限を行使できる仕組みにしたいとの意向を示した。
佐藤議員はまた、偽装が明るみに出るまでに時間がかかったことに加え、民間の確認検査機関が大手住宅メーカーや建設会社の出資で設立されていることは大きな問題ではないかと指摘し、競争の中で検査の仕組みがきちんと機能するか危惧を示した。山本局長は、制度の運用も含めた総点検で問題を掌握し、社会資本整備審議会の検討に導入するなどと答弁した。
「公共性を持ちながら、どういうふうに安全安心の検査を担保できるか。よく研究して法改正しないと続いてしまう」と、佐藤議員は重ねて制度の改善を求め、確認・中間・完了の3種類の検査を別々の確認検査機関に依頼する方法などが取れないかなどと例を挙げた。さらに、改正建築基準法の施行後に、特定行政庁が建築確認・検査で、耐震性について不適格と認めた事例があるかを確認し、検査体制の見直しや検査過程の公開を要望として挙げて質問を終えた。
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