鳩山由紀夫幹事長、松本剛明政調会長は8日午後、米国訪問中の前原誠司代表に代わって首相官邸で行われた党首会談に臨み、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣を1年間延長する基本計画の変更に関して小泉首相と議論した。
会談後に鳩山幹事長は記者団に答え、「小泉総理からイラクへの自衛隊派遣延長に関して、1年間の延長をしたいので認めてほしいという要請があった。それに対して反対の趣旨で思いを述べた」と主張。そもそもの基本認識として、閉会中ではなく、国会を開いて議論すべきであるとの考えを鳩山幹事長は示し、「国民のみなさんに説明責任を果たすべきだということを申し上げた」と強調。米国内においてさえもイラク戦争の大義が疑問視される状況下での1年間延長に関して、3つの視点から反対したことを明らかにした。
反対した第一の視点として鳩山幹事長は「自衛隊の役割自身がもはや終えたのではないか」と述べ、自衛隊の主活動とされた給水活動はすでに終了し、建築物の修理なども地元のイラク人に委ねる形に移行している実態を指摘し、「役割自身が終わっている」と語った。
第二点目としては「『非戦闘地域』という虚構がつくられたが、現実は額賀防衛庁長官がイラクへ行かれた直後にも投石騒動が起きたり、決して治安が安定しているとは言えない」と指摘。そうした状況下での自衛隊活動に関して「もはや適当ではない」と強調した。
第三点目としては、英軍、豪軍が来春5月ごろの撤退を表明していることを問題視した。「すなわち非戦闘地域であるけれども他国に守られながら行動せざるを得ない自衛隊の環境のなかで、実際にイギリス、オーストラリア軍が撤退するということになった場合、どうやって1年間、活動ができるのか」と語った。同時に、撤退までには行政調整に3カ月+物理的に3カ月=計6カ月かかるとの認識を鳩山幹事長は示したうえで、「5月ぐらいにイギリス、オーストラリア軍が撤退するという話であれば、(撤退の判断をするのは)まさに今ではないか」と語り、現在はむしろ「撤退」の判断時期であり、延長には賛成しかねると首相に伝えたことを明らかにした。
首相は「1年間の延長期間の途中で撤退することもあり得るし、また1年後の再延長もあり得る話ではある。そのどちらになるかは全くわからないし、撤退の条件が整えば撤退する。それは適切に考える」などと表明。しかし、鳩山幹事長が「撤退の条件」について重ねて質したのに対し、あくまでも明言を避けた。
サマワ以外の任務はあるのかとの問いには「考えていない」と首相は回答したが、「別の国でも(支援活動を)やってくれと、例えばアメリカなどから言われた場合は」との問いには、「それは協議はする。協議してからでなければ決める話ではない」とのやりとりがあった。
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