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2005/12/14
【衆院国交委】木村建設の木村社長、篠塚明元東京支店長を尋問
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衆議院国土交通委員会は14日、耐震強度偽装問題で証人喚問を行った。午前中の構造計算書を偽造した姉歯秀次元1級建築士に対する証人喚問に続き、午後の喚問では木村建設の木村盛好社長、篠塚明元東京支店長を尋問。民主党・無所属クラブからは下条みつ、森本哲生、馬淵澄夫各議員が違法行為が行われた背景をめぐり、事実関係を質した。

 最初の質問に立った下条議員は、午前中の喚問で姉歯証人が鉄骨量を減らすよう篠塚東京支店長から指示されたと証言したことに関連し、「一覧表を見せられて『こうせい』と依頼を受けたと明確に答弁している」として、その一覧表を示すよう要請。篠塚証人は「こうした表を示してこの程度を目標にと言ったことはある」などと証言。下条議員の再要請に対して、篠塚証人は「その後加筆等がされたのでそのときのものは出しにくい」と述べつつも、財団の管財人に相談の上で報告すると確約した。

 また、東京支店長である篠塚証人が独自の判断で鉄骨量を減らすことの指示を出したのか、あるいは何らかのアドバイスがあったのかを下条議員は質問。「総研さんも含めて指導してもらっている。コストダウンという観点からの勉強会もしている」などとしたうえで、助言・補助は受けていると語った。ただ、具体的な建設にあたって助言はない、自らの一存で動いているという認識を篠塚証人は示した。

 「鉄骨を減らせと明確に言われたのは篠塚支店長からだと姉歯証人は明確に証言している」と下条議員は明示したうえで、篠塚証人が姉歯証人に対して指示するにあたって、「鉄骨を減らせ」と指示したかを質したのには、篠塚証人は明確な答弁を回避した。

 その証言をうけて下条議員は「司直の手に委ねる。証言が間違いであれば偽証罪ということになる」と指摘したが、法律の範囲内でコストダウンを求めたに過ぎないとする認識を篠塚証人は重ねて示した。

 続いて森本哲生議員が質問に立ち、ここまで偽造行為を重ねた背景には何らかのプレッシャーがあったかを質問。木村社長はプレッシャーは何らなかったとの認識を示した。

 また、単価を安くしろとの強要を重ねたか質したのに対しては、篠塚証人は「価格競争そのものはどこにでもあるので、あったと思う」と回答した。

 「専門家が図面を見ればその偽装は一目瞭然でわかる」との指摘があることを森本議員は示し、どう見るか証人の認識を質した。篠塚証人は「私のところには確認が降りたところで(設計図を)見るので、確認がおりたものを疑うことはない」と語り、認証制度こそ問題で有り、自分には非はないとする証言を繰り返した。

 三番目の質問者として立った馬淵議員は、木村証人に対してまず、木村建設の子会社である平成設計は総合経営研究所(総研)の指示で動いている。総研の仕事が100%近いと明言した点に関して改めて質問。その事実関係について、木村証人は肯定した。

 馬淵議員は、木村建設作成の新築工事の施工品質計画書を提示し、その3P目にある工事概要を見ると、設計管理者が平成設計、そして施工が木村建設、事業管理者という名前で総研が提示されている点を指摘。その事実に間違いないか質問。それに対して木村証人は肯定する証言を行った。

 次に馬淵議員は、同計画書にある「責任と権限」とする組織表を取り上げ、発注者から直接的に指示を受けるのは事業管理者であるとの構図が示されており、それが総研であるとされている点を指摘。現場の作業所長にも、設計管理者である平成設計にも、総研が具体的に指示を出す構図となっていることを明らかにし、「これは責任と権限を明らかにした組織図で仕事が行われていたのは事実か」と質問した。それに対して篠塚証人は「事実関係はほぼ間違いない」と回答。その証言を受けて馬淵議員は「これで総研が平成設計に100%指示を出し、木村建設の現場にまで関わっていることが明らかになった」と指摘。総研と木村建設の力関係を浮き彫りにした。

 続いて馬淵議員は「先の参考人質疑で奈良のホテルに関して、木村建設から総研に流れているのではないかと指摘した」と述べ、証人喚問に示された書類「協定書」に言及。そこに示されている追加工事、仲介手数料等という名目で記されている約1950万円が、総研に流れているのではないかと指摘した。

 馬淵議員は独自の調査に基づき、「この協定書に示されている1950万円は、まさに用地所得のため、情報提供量としてお支払いされているもの」と重ねて指摘。設計料の25%が、総研に支払われる構造になっていることを明らかにした。

 奈良や北海道の不動産業者に平成設計からの支払いが行われている点を馬淵議員は重ねて指摘し、「なぜ支払うのか」と質問。それに対して木村社長は「平成設計は営業力がないので、それらの営業の謝礼として支払っている」と回答。馬淵議員の重ねての質問には、それらの業者は総研グループ配下であることも木村社長は明言した。

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