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2005/12/17
新体制の下、さらなる「女性議員プラスワン」実現への方向確認
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 民主党2006年度定期大会が行われた17日、本会議に続いて民主党女性議員プラスワン会議総会が開かれ、女性国会議員、各都道府県・市町村の女性議員、候補予定者、都道府県連女性スタッフら約60人が集結。男女共同参画社会の実現に向けた党の今後の取組みについて2時間に渡って意見交換した。

 第一部の総会は同会議副代表の井上紀代子宮崎県議会議員の司会で進められ、世話人代表の遊佐美由紀宮城県議会議員がまず、全国の女性議員が集まって行われる女性議員ネットワーク会議での提案をきっかけに同会議を2004年に立ち上げ、各地域に民主党女性議員を増やし、ネットワークを広げるべく、補欠選挙・東京都議会議員選挙、各自治体選挙等で積極的に活動を展開してきた経過を報告。「党本部の男女共同参画委員会が推進本部に格上げされたことを鑑みて、このプラスワン会議を全国女性ネットワーク会議と一体化して、運動体にしていこうということで話し合った」と述べ、この会合での議論も踏まえ、発展的な展開を進めていこうと提起した。

 続いて、小宮山洋子『次の内閣』ネクスト男女共同参画政策担当相が、前原誠司代表就任に伴う党機構改革と男女共同参画推進本部の位置づけについて説明。「前原代表の強い意向があり、代表直属の男女共同推進本部という形で格上げされた。党全体として男女共同参画の理念も活動も、もっと力を入れていこうというのが今回の改革である」」とした上で、総合選対本部・広報戦略本部・『次の内閣』等と連携をとって活動していく形になることを明らかにした。女性議員プラスワン会議については、女性議員ネットワーク会議と統合・発展させていくことも同時に示した。

 小宮山ネクスト担当相は、「男女共同参画推進本部会議構成図(案)」を示して、さらに説明。男女共同参画推進本部の全体会議は前原代表を本部長として行われ、本部長代理に小宮山子ネクスト担当相、筆頭副本部長に菊田真紀子男女共同参画委員長、次席副本部長に寺田学男女共同参画委員長代理ほか6名の副本部長で構成。実際の運動については企画委員会という名のもとに従来の男女共同参画委員会委員が検討・推進しつつ、各部局や地方自治体議員との連携・調整等については、全体会議が担っていくことが明示された。

 「2006年男女共同参画推進本部活動方針」として菊田委員長は、「推進本部に格上げになった。名実ともに格上げ、パワーアップしていかなければならないと思っている。小宮山議員と連携を取りながら、前原本部長のもと頑張っていきたい」と意欲を示した。

 先の総選挙を経て民主党の女性国会議員が15名から7名に減ってしまったことにも言及。「とにもかくにも、この女性議員の比率をどうやって高めていくことができるかを真剣に考えなければならない」と語り、政策・運動両面から女性議員増に向け、具体的方針を打ち出していきたい意向も強調した。

 意見交換では、「代表が代わって、また格下げにならないよう、位置づけを継続してほしい」「大会本会議で流された映像に社会の荒廃は母親の子育てが原因ではないかといった何気ないコメントが使われていたが、男女共同参画を謳う党としては、そうした細部にも気をくばるべき」「男女共同参画社会の実現に反対する議員も地方議会議員の中にはいる。党としての方針はこうだと、男女共同参画社会の実現へ向けた取組みを明確に代表から提示してほしい」といった意見が出された。

 本会議終了後の会見等を終えて駆けつけた前原代表は、推進本部長として挨拶に立ち、「機構改革をして、ひとつの目玉が男女共同参画委員会を本部に格上げしたこと」と改めて表明。その理由として、従来の男女共同参画委員会の枠組みのなかではいい知恵を出しても成しえなかったことを、推進本部とすることで予算もつけ、総合選対本部・広報戦略本部と連携することで積極的にかつ戦略的に展開していきたい意向を強調した。

 「例えば、衆議院の比例ブロックで必ず女性はひとり固定で当選してもらえるような枠組みをつくる。女性議員を増やすにはそういった工夫も必要」とも語り、ひとりでも多くの女性の政治参加実現に向け、名実ともに積極的に取り組んでいく考えを示した。

 前原代表に対しては「代表自身の声を貫き通すのも大事だが、国民の声を聞くことも大事。推進本部を立ち上げたからには意識改革を。まず、家内という呼び方をやめてほしい」「民主党は環境保護に取り組み、平和のために憲法9条を守ってほしい」「地域で女性議員を増やしていくために、県連・総支部に意志伝達をはかり、数値目標を指導したりしてほしい」などといった意見が出された。

 第二部の講演会では、馬場裕子東京都議会議員の司会・進行のもと、蓮舫参議院議員が「次世代育成支援について」と題して講演した。

 蓮舫議員は、夫は40年間同じ職場で働き妻は専業主婦、子ども2人という国民年金のモデル世帯がいい例であるように、少子化の危機的現実と政府・与党の認識が大きく乖離している現状を指摘。同時に、「いま、単独世帯が増えている。こういう現実を見ずして、少子化対策はない。ひとり世帯が増えてくると性的役割分担も崩壊してきた。結婚観もちがってくる」との見方を示した。

 また、仕事か子どもかの二者択一ではなく、両方持つのが当たり前であり、日本の現状は先進国中で最低の状況にあるとして、体制整備が急務であることを指摘。男女、パート労働者それぞれの育児休業制度の拡充、民主党が先の総選挙で示した月額1万6000円の子ども手当の実現等に粘り強く取り組んでいく必要性を強調した。

 また、子育て世代に対しては、次世代を育む家族というくくりで、国として支援していくべきとの考えを示した。さらには相次ぐ子どもをめぐる事件を憂慮し、保育園は厚生労働省、小学校は文部科学省、塾は経済産業省と管轄が別になっているために一本化できないでいる子どもの安全対策拡充に向け、次期通常国会に民主党として「学校安全対策基本法案」を提出していくことを明らかにした。

 同時に、子どもたちの食の安全確保という観点から輸入が再開された米国産牛肉が給食、コンビニ、ファーストフードなどを通じて子どもたちが口にする可能性がある現実に対し、どう対処していくか等も民主党の大きな課題であることに言及した。

 「政治家として、虐待をいう言葉をなくしていきたい」とも述べ、講演を締めくくった。

 会の最後には寺田委員長代理がマイクを握り、「男女共同参画社会の実現に向け、推進本部としても誠心誠意サポートしていきたい」と述べ、体制強化に向け力を注いでいくと表明した。

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