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2005/12/17
【定期党大会】フライ大使、林野社長、高木会長が来賓挨拶行う
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17日午前に行われた2006年度定期大会で、グレアム・フライ英国駐日大使、林野宏クレディセゾン社長、高木剛連合会長が来賓挨拶を行った。

 初めに挨拶に立ったフライ大使は「欧州も日本も大きな変化の時代を迎えている」と冒頭に指摘し、これら各国が直面している課題として、高齢化社会で増加する医療費や年金への対応、新興国との競争の中での経済成長の継続、テロなどの新たな脅威に対する国際平和への効果的取り組みの構築を挙げた。

 その上でフライ大使は、英国が、かつて「英国病」と呼ばれた経済・政治・社会の停滞状況を、抜本的な構造改革によって乗り越え、成長を続けていると表明。「民主党は最初から改革の政党だと伺っている」として、「二大政党がさらなる構造改革を支持していることは非常に価値がある」などと改革への期待を述べた。

 フライ大使はさらに、貿易自由化交渉や地球温暖化防止会議など、日本が世界の問題に主導的にかかわり、主導的役割を果たすことがますます貴重である中、民主党が積極的に政策を展開していると指摘。「実質的に日本には二大政党制がある。民主主義体制で最大野党の役割は非常に重要」だと述べ、政府の政策に異議を唱え、政権交代のために対案を提示することは簡単ではないが、民主党がますます発展するよう希望していると締めくくった。

 経済界を代表しては、株式会社クレディセゾン代表取締役社長の林野宏氏から来賓挨拶を得た。

 力のこもった挨拶とともに登壇した林野氏は、「大多数のみなさんが私を知らない。その私がここに立っていることが社会が変わり、21世紀を迎え、そして民主党が変わる通過点になる」と表明。会場からの大きな拍手で迎えられた。

 林野氏は、日本は先進国の仲間入りを果たしたとする認識を示しつつも、先進国病が蔓延していると指摘。「財政赤字」「少子化」「社会の退廃」という三つの課題を抱えているとの見方を示した。その上で林野氏は英国のケースを例に「先進国はみんな先進国病にかかるが、どの国も大したことはない。すべての問題は解決していく」と語った。

 また、先の総選挙に言及し、「05年の選挙は日本の政治の流れが変わった」と述べ、民主党は漁夫の利を得ようとして負けた。それはドーハの悲劇と同じであると分析してみせた。しかし反面で、国民は政治が変えられるとの自信を得たと林野氏は主張。「これは民主党が政権を奪取するたいへん大きな機会となる」と強く訴えた。

 自らが考える政治改革としてまず、「政党と代議士の関係がかわるのが第一歩だ」と林野氏は指摘。「二大政党制は政権交代を可能にする、政権交代を可能にするのはマニフェストだ」とも語った。また、20代、30代の若い世代が社会を変えていく原動力になるとの認識を示し、「民主党は若い人たちの利益代表になるということを鮮明にするべきだ」と語った。

 そして民主党に求められるのは選挙に勝つためのマーケティングであると指摘。「これをさせることで選挙に勝つという戦略が立たないと、政権交代は実現しない」と力説した。戦略の第一は党首同士の戦いであると提示。小泉総理後の自民党総裁との党首戦をどう見せていくかが鍵となるとの持論を展開した。

 第二としては「選挙制度の矛盾の問題だ」と指摘。得票数は小差であるにも関わらず、議席数は大幅に差が出る小選挙区制の矛盾について、「制度を変えるのではなく、この制度を利用すべきだ」と強調。また、無党派層はいなくなり、選挙のたびに投票する政党を変えるという現状に踏まえて、若年層の利益代表の民主党であることをアピールすると同時に、消費税の導入なしにプライマリーバランスの回復を実現できることを訴えていくべきだと提示。さらには、新聞・TV離れをした層をインターネットによって捕らえていくことの重要性を指摘した。

 林野氏は「自民党は慢心している。努力を怠ると敗戦するのがならい」だと述べ、「民主党に勝つチャンスがある。私は徹底的に応援していきたい」と民主党へのエールを送り、満場の拍手のなかで挨拶を締めくくった。

 来賓挨拶の最後に高木会長が登場し、挨拶の冒頭、民主党大会に敬意を表するとともに、総選挙結果は結党以来の挫折だが、落胆するだけでは明日は開けないと参加者を励ました。そして、敗北にもかかわらず2480万票を得ていることを取り上げ、これらの人々の消費者・生活者・納税者の立場で活動して欲しいとの期待の重みに応える責任があると指摘した。続けて高木会長は、「民主党には国民の大きな期待を担保にした高いポテンシャリティがある」と語るとともに、自民との大連立があるとすれば議会制民主主義の形骸化となると指摘し、党員・サポーターを落胆させることがないよう要請した。

 ここで、高木会長は、「山あれば登り、川あれば渡り、波来たりなば乗り越える」のみだとして、民主党が自信を持つべきことを強調し、連合の支援を約束した。また、連合と民主党の間に波風があるとの報道に触れ、「親しき中にも礼儀あり」との言葉を引きつつ、よい緊張関係を持ってやっていくと語った。

 高木会長は再び選挙に言及し、小選挙区制の下においては今回の選挙と逆の結果もあり得るとして、そのためには民主党が国民の信頼を獲得すべきであり、2001年の統一地方選挙と参議院選挙に勝利すべきこと、申し出があれば支援の用意があることを述べた。また、対案路線を評価しつつも、「小泉さんの挑発に乗る必要はない」と釘を刺した。

 最後に高木会長は、「倦まず、臆せず、目線を低くして」頑張ろうと締め括った。

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