岡田克也代表は19日、佐賀県訪問を終えて福岡市に入り、平田まさのり民主党福岡県第2区総支部長らと福岡市内3ヶ所で街頭演説会に参加。いずれの会場も道路にあふれ出しそうなほどの多くの聴衆が詰めかけた中、地方分権・子育て・年金などの諸課題について民主党の主張を力強く訴えた。また会場では、アンケートで集められた市民の皆さんの切実な意見も寄せられており、岡田代表らはそれらの疑問にも答えながらの演説を行った。
岡田代表は演説の冒頭で、「ようやく日本の政治が変わろうとしている」として、「今、私たちの国、日本は、政権選択・政権交代の時代に入った」と宣言。昨年の参議院選挙の結果について、自民党の完敗であることを指摘しつつも、「それで喜ぶほど志は低くない」と述べ、民主党の主張する具体的な政策について順次訴えを行った。
岡田代表はその第一に、地方分権の問題を取り上げ、小泉首相や竹中大臣の楽観的な言葉とは全く違い、地方の置かれている現実の厳しさを指摘。未だに続く中央集権の仕組みが、「地方の思い、地方の芽をつんでいる」とし、「地域の皆さんの責任と判断できちんと物事を決められる、そういった本当の意味での地方分権を実現していくことこそが、地域が元気になる源だ」と述べて、真の地方分権の重要性を強調した。
第二に岡田代表が取り上げたのは、子育て支援や教育の問題。「平成17年度民主党予算案」の中で、財源を明示して月1万6千円の子ども手当を創設していることなどを取り上げ、未来を担う子どもたちへの投資を積極的に行う民主党の姿勢を改めて明らかにした。また教育についても、それぞれの学校の工夫を活かし、「現場からの改革ができる仕組み」こそが必要だと指摘した。
岡田代表は第三に年金問題を取り上げ、市民の皆さんからも「年金制度について最も大きな声が上がっている」とした上で、小泉首相・与党の側に本気で野党と議論したいという気があるのであれば、与野党を超えて議論すべき長期的な課題だ、との考えを改めて示した。しかし、一元化の問題などについての小泉首相の国会での答弁の内容のなさに岡田代表は言及し、「社会保障制度全体の見直しが必要だ、という小泉さんの言葉の中には、自分の任期中には答えを出さないよという考え方がある」と厳しく指摘。「あるべき年金制度をまずしっかり議論すべき」で、「結論を先送りし、小泉首相の任期は終わっている。次の人が誰がなるのか分からない。これでは本当の年金改革はできない」と断じ、真の年金抜本改革に向けた民主党の決意を改めて述べた。
岡田代表は更に、政治とカネの問題にも触れ、「裏金の中で政策が歪められ、本当に国民のためにならない、特定の人のための政治が行われている」と厳しく指摘。「そういう政治を壊していこうではないか」「そのための政権交代をやろう」と力強く呼びかけた上で、「今回の補欠選挙は、まさしくその前哨戦だ」とするとともに、「はっきり小泉・自民党政権にノーと言う戦い」だと訴えた。
平田総支部長も、自らのかつての体験も踏まえて演説。「そこにある信号機は、時間が経てば青になる。しかし、景気や政治に今ともっている赤信号は、待っていても青信号にはならない」と、政権交代の必要性を力強く訴え、演説会場に詰めかけた多くの聴衆から盛んな拍手を浴びていた。
福岡市内3ヶ所で行われた今回の街頭演説会には、佐賀県の視察より同行した原口一博衆議院議員・高橋千秋参議院議員も加わったほか、地元福岡県選出の松本龍・北橋健治・楠田大蔵・城井崇各衆議院議員、岩本司・大久保勉各参議院議員らも参加した。
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