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2005/02/20
「地方分権フォーラムinみやぎ」で岡田代表と浅野宮城知事が対談
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 党宮城県連・党分権改革推進本部主催の「地方分権フォーラムinみやぎ」が仙台市内で開かれ、岡田克也代表と浅野史郎宮城県知事がそれぞれ、「民主党が目指す地方分権」「地方財政自立改革の実現に向けて」と題して基調講演し、その後、地方分権をテーマに対談した。

 宮城県選出の参議院議員、岡崎トミ子副代表の司会の下、県連代表挨拶に立った安住淳衆議院議員は、「地方に新しい活力をもたらすのが分権改革だが、地方自治体も国へ責任回避してきた姿勢を改めていくことも必要」だとして、地方ができることを地方が担っていくとする地方分権とはどういうものか、議論を深めていこうと訴えた。

 岡田代表は講演で、「市民・住民の皆さんが、自分たちのことは自分で決める。決定権が皆さんにあるというのが地方分権の原点」と述べ、同時に責任も地方が負うことから分権論議がスタートするとの考えを示した。その上で、「重要なのは住民であり、住民に最も近い基礎自治体が重視されるべき」と強調。岡田代表は重ねて「権限を基礎自治体に移し、下からの積み上げで論じていかなければならない」と述べた。

 続いて岡田代表は先の参議院選挙で「政権公約・マニフェスト」として示した民主党案を提示。国の補助金約20兆円のうち生活保護費などを除いた約18兆円(約12兆円の一括交付金と5・5兆円の税源移譲)を最終的には地方が自由に使えるようにしていくとする地方分権策を説明し、「どう使うかは自治体に委ねられる」と語った。

 政府が進める分権改革について岡田代表は、「展望のない改革が進んでいる」と指摘。本来、政府が言う改革の先に何があるか、将来展望を小泉首相は示すべきであるとの考えを示し、閣僚間の調整すら放棄した小泉首相の姿勢を厳しく批判した。

 同時に岡田代表は、自治体には情報公開が格段に求められるようになると指摘。さらに地方が大きく変わる魅力的な印象をもって捉えられている道州制について、「国の権限移譲がそこで止まり、基礎自治体に降りて行かない危険性もある」との見方を示した。

 続いて登壇した浅野知事は、「地方分権と地方財政の自立が、私たちの暮らしを豊かにする!」としたフォーラムの副題を引き、「豊かにするかもしれないが、豊かにならないかもしれない。そんなには甘くない」と語り、住民に委ねられる判断の大きさを改めて強調した。

 当初、廃止が検討された義務教育費国庫負担金をめぐる問題について浅野知事は、「廃止されると地方の義務教育の水準が下がると言われているが、それは地方をバカにした物言い」と指摘。公立小中学校の教職員給与の国庫負担分がなくなったとしても、それのみで教育政策転換を打ち出す都道府県は存在し得ないとした上で、「もしそうした状況がもたらされたときこそ、住民が登場する余地がある」と述べ、納税者の政治参加・本来の民主主義の発芽がそこから始まるとした。

 浅野知事は宮城県が取り組み始めた寝たきりの障害児を普通校に通わせる統合教育を紹介。「義務教育費国庫負担金でなく、県の義務教育費から出している」とした上で、教育は国の関与で維持されているのではなく、地方の裁量で使えるお金が増えることで地域のニーズに即した教育が多方向に広がっていく可能性に改めて言及した。さらに、見直しが始まっている「ゆとり教育」について、全国一律でやったのが誤り、地域の独自性が発揮されていれば失敗も最小限に防げたはずとの見方を示した。

 岡田代表は、「義務教育は国の責任である」とした上で、全部を国に委ねるのは違和感を感じると主張。国の責任範囲と地方の裁量で創意工夫すべき点との住み分けの必要性を指摘した。「義務教育費国庫負担金も、最低限やらなければならないところへは国のお金を降ろすのが、地方に委ねる本来の姿だ」と語った。

 2004年度は、国庫補助金の削減(約1兆円)・地方交付税改革(約2・9兆円削減)ばかりが先行し、税源移譲は6558億円にとどまっている現状を前に、浅野知事は、「国の財政改革のために利用されているに過ぎない。三位一体改革という名ばかりで、財務省の思う壺」と批判。地方財政自立改革と改名し、その方向性の明確化の必要性を指摘した。

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