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2005/12/21
【衆院国交委】古賀・馬淵・小宮山・長妻議員が偽装問題で鋭く追及
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衆議院国土交通委員会は21日午前、建築物の構造計算書偽装問題について一般質疑を行い、民主党・無所属クラブからは、古賀一成・馬淵澄夫・小宮山洋子・長妻昭各衆議院議員が質問に立った。

 トップバッターの古賀一成衆院議員(九州ブロック担当常任幹事)は冒頭、更なる証人喚問の実施に言及し、「国会が国民を代表してしっかり何度でも、通常国会前でもやっていく」姿勢を示すように委員長に要請し、「速やかにすべての悪事が解明されるよう強く期待する」と、北側国土交通大臣にも徹底究明を求めた。

 古賀議員はまた、姉歯秀次元一級建築士が関与していない物件に関する耐震強度の調査に関して、取りまとめの状況を国交省の山本住宅局長に確認し、判明した段階で速やかに公表すべきだとの考えを示した。更に、「場合によっては耐震強度に欠ける建物の問題が、今後、大きく広がる可能性がある」と指摘し、被害者の救済スキームはその場合でも適用されるかと確認。北側国交相は、「要件に該当する限り、当然支援をしていかねばならない」と答弁した。

 偽装問題での被害総額についての古賀議員の質問に、山本住宅局長は「現段階で被害額のトータルは掌握していない」などと答弁した。これに対して古賀議員は、偽装問題の範囲が広がる傾向にあると指摘し、党として被害額の確定についても見守る決意を表明した。古賀議員は、「住宅行政にとって最大の汚点であろう」と今回の問題に関する見解を示し、安全の回復へ向けて「抜本的な、厳しい検証をしながら制度の再構築を」と求めて質問を終えた。

 ここで質問者は馬淵澄夫衆院議員(政策調査会副会長)に交代。馬淵議員は質問の冒頭に、国民は事実の解明のためにヒューザー・平成設計・総研の関係者の証人喚問や伊藤公介衆院議員の参考人招致を望んでいるにもかかわらず国交委の理事会では与党が消極的であると指摘し、北側国交相に国会議員としての見解を質した。北側国交相は、行政の長として答えるべきことではないと答弁するのみであった。

 馬淵議員は、国交省が所管する公益法人である財団法人・日本建築総合研究所が指定検査機関として建築確認を行った物件の中にも偽装が発見されたことを取り上げ、指定検査機関による建築確認制度のあり方を含めて、国交相の問題認識を質問した。国交相は、国民の建築行政に対する信頼を揺るがすものであり徹底した究明が必要であるとするとともに、審議会において確認検査制度のあり方の見直しをすすめていると答弁した。

 馬淵議員は、国交省が指定検査機関への立ち入り検査に際して送付した質問書から、国交省は偽装が見抜けなかった原因が一定の場合に検査すべき書類を省略できる「図書省略」にあるとの前提で検査を行ったが、結果としてこの前提は誤っていたのではないかと鋭く指摘した。これに対して国交省住宅局長は、いろいろな前提の下に調査を行っていると答弁したが、馬淵議員は「国交省が考えていた問題のポイントは外れていた」と指摘した。

 馬淵議員は、指定検査機関における検査も計算過程における偽装をチェックすることになっているとの国交省からの答弁を捉え、平成10年の建築基準法改正による民間指定検査機関への検査業務の開放の際に当時の建設省が「事務的・機械的な検査」であると答弁していることとの矛盾を追及した。これに対して住宅局長は、あくまで規定に従った裁量性のない業務という意味だと答えるのみであった。馬淵議員は、「国交省が検査業務に関する解釈を変更して自己責任を取ろうとしていないところに大きな問題がある」と指摘して質問を終わった。

 馬淵議員に続いて小宮山洋子衆院議員(『次の内閣』ネクスト消費者担当大臣)が質問に立った。小宮山議員は、「この一連の問題は消費者問題でもある」と前置きした上で、耐震強度の偽装が判明した物件が更に増えていることを指摘。北側国交相に対して、公的支援の範囲と自治体との責任分担について質した。

 また、今回の支援の妥当性について世論調査の結果が分かれていることにも小宮山議員は言及し、震災時などでの支援が決して手厚くないことにも触れて、「国民が納得するきちんとしたガイドライン」の必要性を強く訴えた。北側国交相は、「既存の様々な制度を活用して支援制度をつくった」として、超法規的措置ではないことを強調した。

 小宮山議員は、消費者行政を担う内閣府の見解についても山口内閣府副大臣を質しつつ、関係者の参考人招致・証人喚問について及び腰の自民党の姿勢に、改めて苦言を呈した。小宮山議員は最後に、「縦割りでなく一体化した取り組みを」と指摘して質問を終えた。

 続いて長妻昭衆院議員(ネクスト国土交通大臣)が質疑。ヒューザーの幹部職員が姉歯建築士(当時)に偽装を確認した後に、引き渡しや売買契約をした物件の戸数を質した。そしてそうした事態が進む中、ヒューザーの社長とともに国交省を訪問し、担当者に対して公表を慎重の上にも慎重にと言う話を横で聞いていたという自民党の伊藤公介衆院議員の参考人招致を要求した。

 長妻議員は更に、国交省が偽装についての報告を受けた1ヶ月近く前に、「たれ込み」の電話があったことも指摘。その上で、今回退避勧告が出た建築物と同様もしくはそれ以下となる、耐震強度が非常に脆弱な建築物が他にもかなり存在する可能性を指摘し、「サンプル調査を早急にしてもらいたい」と強く要求した。

 最後に長妻議員は、特定行政庁が義務づけられている完了検査を実施していないにも関わらず罰則適用がされておらず、特定行政庁間でも完了検査の実施率に大きな差異があるといった事実を鋭く指摘し、北側国交相に対して「徹底的な取り組みをしていただきたい」と厳しく要求して質問を締めくくった。

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