前原誠司代表は2日、党本部でベルナール・ド・モンフェラン駐日フランス大使の表敬訪問を受け、意見交換した。民主党からは浅尾慶一郎『次の内閣』ネクスト外務大臣、武正公一ネクスト外務総括副大臣が同席した。
ド・モンフェラン大使からは冒頭、「EUと日本との関係は大変重要」との認識が示されるとともに、アジアでは安全保障面で北朝鮮に対して関心をもち、力をつけた中国といかに共存していくかもフランスにとっても大事なテーマだとした。
前原代表は文化に重きを置く精神を貫いているフランスを尊重しているとして好意を示し、「文化面についてWTOの適応除外にしたことを尊敬できる」「小泉内閣がお金の話ばかりで殺伐としたイメージを国民が抱いている中にあって文化を重視することは日本にとっても大事」とも語った。地元・京都市とパリを比較する形で、フランスの街並保存の完璧さにも敬意を表した。
大使は、「2006年春夏パリコレクション」でのヨウジヤマモト(山本耀司)へのパリ市民の注目が一段と高まっている点をあげ、留学生交流の重要性などにも言及した。
国連安全保障理事会常任理事国入りに向けた日本政府の戦略についても話し合われた。前原代表は、日本政府が従来のドイツ、インド、ブラジルが連携する4カ国(G4)の枠組みから米国との協調を優先する路線に修正し、10月28日に行われた日米外相会談で、来年から議論が本格化する国連分担金見直し交渉で、共同歩調で過大な負担の削減を求めることを確認したことに言及。「国連改革で必要なこと」との認識を示した。
同時に前回、イタリア、パキスタン・中国・アフリカなどの反対によって常任理事国入りが果たせなかった点について前原代表は、「賛成が得られなかったは反省としたい」と語った。浅尾ネクスト外務大臣は「アジア外交が機能していなかったことがひとつの原因」と指摘した。
大使は「フランスはG4案に常任理事国としては唯一賛成した」と語るとともに、これまでも支援していくと表明。前原代表はそれに対し、「あくまで日本はチャレンジャーである。フランスのさらなるご支援をお願いしたい」と求めた。
外交の失敗のツケが今回の常任理事国入りの失敗に表われた。日本外交を根本から見直すことが大事であるとの認識にたって、EUの中核国であるフランスと緊密な連携を図っていくことが重要と認識で一致した。
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