臨時国会が召集された30日午前、民主党の藤井裕久幹事長は先の通常国会で与党の強行採決によって成立した年金制度改革関連法を廃止するための「04年年金改正法廃止法案」を衆議院に提出した。
法案提出後の会見で仙谷由人政調会長は「参院選はまさに年金選挙で、国民の審判にさらされ、比例区では民主党に2100万票、自民党1800万票、議席数も野党が61、与党が60だった。世論調査等でも年金改正法については60〜70%の方々が批判し、抜本的な年金改革の国会審議を求める声が多い。これが民意」と語り、「年金について一から議論し直すよう粘り強く要求していく」と強調した。また、臨時国会の会期が8日間と短期となった点について「年金法の矛盾点を覆い隠そうという与党の意図が見える。議論したくない、逃げたいということだ」と与党を批判した。
廃止法案ではまず、「国民年金法等一部改正法」及び「年金積立金管理運用独立行政法人法」と、年金保険料の流用を認めている「公債特例法第3条、第4条、第5条」を廃止。その上で(1)基礎年金の国庫負担率を段階的に引き上げ、2008年度末までに2分の1とする(2)社会保険庁を廃止し、税及び社会保険料を一元的に徴収する機関を年金制度の抜本改革を実施するまでに創設する(3)厚生年金保険法第79条及び国民年金法代74条を廃止することでグリーンピアに代表される福祉増進事業を廃止――などの措置を即座に実施する。付則には、06年度中に公的年金の一元化の実施、国会議員互助年金の廃止を明記している。
また、改正法で少しでも前進があったと認められる事項――「20歳前に支給自由が生じた障害基礎年金等に係る支給廃止の緩和」「30歳未満の第1号被保険者に係る納付特例制度の創設」「第3号被保険者の届け出の特例等」「育児をする被保険者に対する配慮措置の拡充」等──については、法の廃止後に復活させるとしている。
法案提出・会見には五十嵐文彦、海江田万里、中川正春、古川元久、平岡秀夫、山井和則各衆院議員が参加した。
さらに民主党は、同日午後、参議院でも同様の法案を提出した。
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