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2005/11/22
特別会計作業チーム、特別会計の実態把握に向け都内2カ所視察
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民主党の決算行政監視調査会特別会計作業チームは22日、「無駄遣いの温床」との批判が強い特別会計の実態を探るため、東京・墨田区にある独立行政法人雇用・能力開発機構の生涯職業能力開発センター(アビリティガーデン)および同機構所有の江東区にある雇用促進住宅「サンコープラス潮見」を視察した。

 視察には同チーム会長の直嶋正行参議院議員、同事務局長の馬淵澄夫衆議院議員のほか、大串博志・北神圭朗・小宮山泰子・松野頼久・三谷光男・柚木道義各衆院議員、藤本祐司・山本孝史・蓮舫各参院議員の計11名が参加した。

 アビリティガーデンは平成9年に開設され、ホワイトカラーの職業能力開発に関する教育訓練の開発・実施、情報提供、相談援助などを主に行うとしており、ホワイトカラー向けの実践的教育訓練コース等を産業界等と共同で開発。在職者向け訓練121コース、離職者向け訓練27コースなどがあり、公共職業能力開発施設と謳っている。

 視察団はまず、7階建ての建物の充実振りに驚いた。その7階部分は訓練コースの受講者向けの宿泊フロアになっていて、ビジネスホテル以上の設備が整った個室の宿泊施設があるが、「受講生は近隣の人が多いのでほとんど稼動していない」と同センターの佐々木所長から説明があったように、平成16年度の稼働率は9.6%にすぎない。

 また、5階はスタジオフロアとなっており、アビリティガーデンを発信局に、能力開発セミナーなどの番組をリアルタイムで全国の独立行政法人雇用・能力開発機構の施設へと配信していた。しかし、二つのスタジオのうち、第二スタジオはほとんど使用されていない様子である上、平成9年の開設当初は別企業だったが、ここ数年はNHKへ年間1億8000万円で業務委託されていること等も明らかになった。

 蓮舫議員などから、「結局、企業のセミナー等に場所を貸しているだけではないか」との指摘も相次ぐと同時に、職業能力開発に関する教育訓練の開発等は産業界でなければなし得ないもので、それを手がけようとしたこと事態に問題があるといった分析もなされた。

 また、施設内にある貸し事務所スペースは20平方メートルで月額2万5000円程度という都内としては破格の好条件であるにもかかわらず、総数9人程度の応募希望者しか例年なく、その中から貸出先が決められているとの実態も浮き彫った。この点に視察団から適切な情報開示への疑問の声があがった。

 一方、建設費と土地取得費で総額約9500億円かけてつくられた雇用促進住宅は、平成13年12月19日に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画に基づき「早期廃止のための方策を検討し、できるだけ廃止」とされている。

 「家賃収入で独立採算で維持管理している」との説明があったが、その実態は建設費・土地取得費などの返済計画もない、無計画な住宅建築であったことは他ならない。

 視察後に直嶋会長は現場を見たことの意味は大きいとの認識を示し、特別会計の具体的な内容について調査会で吟味し、通常国会では政府に対して論陣を張っていくと表明した。

 馬淵事務局長は、「事業内容の適正さ」「事業体系は過剰でないか」「適切な運営によって収益もしくは効果は見込まれるか」の3点の検討がなされたかどうか、大変な疑問だったと視察の印象を示し、「厚労省・機構の方々に内省・自省をしてもらいたい。かかわった方の責任は厳しく追及されるべき」とも語った。

 さらに直嶋会長は「思い切った改革ができるような提案をしていきたいと思う」と述べ、民主党としての改革案を12月半ばぐらいまでに調査会でまとめていくことを馬淵事務局長は明らかにした。

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