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2005/11/29
【衆院国交委】三日月議員、偽造が見逃された背景などをめぐり追及
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耐震強度偽造問題で衆議院国土交通委員会は29日午後、関係者を参考人として招き、質疑した。民主党・無所属クラブの三番手として三日月大造議員が質問に立ち、ヒューザーの小嶋進社長や木村建設の木村盛好社長、イーホームズの藤田東吾社長らに、偽造が見逃された背景などをめぐり、追及した。

 三日月議員は冒頭、確認検査業務はこんなにもいい加減だったのかと、日本の建築行政の根幹を揺るがしかねないこの事態の本質を探って行きたいと表明。同時に「悪者探しに終始するとマンション業界はつぶれる。不動産業界も参る」などと述べた武部自民党幹事長の発言を取り上げ、「住民の方々の家はつぶれてもマンション業界がつぶれるのはいけないのか」と述べ、国民軽視の武部幹事長の認識を厳しく批判。政治の責任を果たすためにも委員長名での抗議を申し入れるよう委員長に強く要請した。

 参考人の小嶋社長に関しては「5つの圧力をかけている」と述べ、その第一として、マンションを購入した住民への圧力を取り上げ、「公的資金を入れて一年で建て替える」「資金がないので買い戻しできない」「銀行に債権放棄を頼んでほしい」「購入金額106%で買い戻す」「引越し代・税金・家賃も負担しない」などと、発言が二転三転するばかりか不誠実極まりないその対応ぶりを批判。購入者に対し、どう対応するつもりかを質した。

 小嶋社長は「国交省の通達によりすべての選択肢を絶たれた」などと述べ、国交省が構造的な欠陥を指摘したことによって、マンション購入者への補償を検討する余地がなくなったなどと開き直りの答弁に終始した。

 第二の圧力としては政治との関与を指摘。この問題に絡み、伊藤公介元国土庁長官に問題もみ消しに向けた協力を要請したとされる点を指摘した。これについて小嶋社長は「何をお願いしたかというと、欠陥住宅が合法的にできてしまう状況を何としても正してほしいとお願いした」などと強弁する不誠実振りだった。

 三日月議員は、第三の圧力としては国交省のHPに「ヒューザーから勝手に動くなという指示」と明記されている点を取り上げ、強引なその手法を問題視した。

 第四の圧力としては改ざんを指摘しようとした指定確認検査機関・イーホームズへの圧力を指摘。「事実がわかって公表しようとする指定確認検査機関を呼びだすのか、指定確認検査機関は建築主に公表を待てと言われる機関なのか。どういう権限でそうしたことを行うのか」ときびしく追及した。

 それに対して小嶋社長は「民間会社の同じ社長の立場で、誤ったほうが謝りにくるべきだということで当社に来てもらった」などと答弁。三日月議員は「どちらが悪いかわからない時点で呼び出すことから、力関係が明らか」と指摘し、検査確認機関と建築業者とのこうした力関係がこの問題を引き起こす背景となっていることを問題視した。第五の圧力としては、構造計算をねつ造したとされる姉歯設計士への圧力を取り上げた。

 さらに、イーホームズの藤田社長が、「姉歯だけじゃない。まだまだある」と指摘している真意を三日月議員が質すと、「構造計算は多岐にわたる検査用件があるが、それだけでは発見できなかったということ。制度上の問題がある」との見方を藤田社長は示した。

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