衆議院国土交通委員会は30日、昨日に引き続き質疑を行い、民主党・無所属クラブから三番手として鉢呂吉雄衆院議員が質問に立った。鉢呂議員は、マンション等の強度偽装問題に関し、自民党の武部幹事長発言を厳しく批判したほか、民間検査機関・特定行政庁への賠償請求の問題、問題露見時の国交省の対応ぶりなどについて、北側国交相を厳しく質した。
鉢呂議員は冒頭、この強度偽装問題の深刻さに改めて言及した上で、特に、居住されている皆さんが、経済的にも精神的にも苦しんでいる事実を指摘。その上で、自民党の武部幹事長がこの問題に関して、悪者探しに終始すればマンション業界もつぶれる、不動産業界もまいってしまう、などと発言したことを取り上げ、北側国交相の所感を質した。北側国交相は、「率直に言って、主旨は理解しがたい」と答弁。鉢呂議員は、「従来型の業界擁護の発言」であり、「大臣として武部幹事長にものを申すべきだ」と指摘しつつ、「看過し得ない問題である」と、改めて厳しく武部幹事長発言を批判した。
次に鉢呂議員は、民間の検査機関が検査した場合でも、特定行政庁も同様に責任を負っているのではないかということを、過去の最高裁判決なども踏まえながら指摘し、「チェックを見逃したとなれば、賠償請求が発生する」との認識を述べた。その上で鉢呂議員は、「法律的にもきちんとした責任が発生するのか、しないのか」、早急に結論を出す必要があるとして、北側国交相の認識を質した。北側国交相は、「非常に重大な問題であると当初から認識をしている」とし、「しっかりと是非、早急に協議する」と答弁した。
鉢呂議員は更に、10月26日にイー・ホームズの藤田社長から国交省の担当者に、意図的な偽装があったとのメールが送られてきたにも関わらず、特に報告する必要はないなどとの返事が返されたことについて、「全くこの重大性を認識せず、見逃してしまったと言わざるを得ない」と厳しく指摘した。北側国交相は、「認識が甘いところがあったのではないかというご指摘については、甘受しなければならない」などとした。鉢呂議員は、そもそもの問題として、指定確認検査機関に対する行政のチェックの甘さも指摘。北側国交相は、「問題がなかったか、しっかり検討する」としつつ、直接の監督権限は特定行政庁にあるとして、「個別案件についても国が再検査できるようにするのであれば、相当な職員を国交省住宅局の中に擁しなければ、これはできない」との認識を示した。
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