衆議院国土交通委員会は30日午後も閉会中審査を続け、長妻昭ネクスト国土交通大臣が質問に立った。長妻議員は問題となっている建物だけでなく、全国の建造物に関して現行の耐震基準に合っているかどうかサンプル調査を行い、国民の住宅に関する不安を取り除くよう求めた。北側国土交通大臣は「サンプル調査を検討させていただく」と答えた。
長妻議員はまず、退去しなければならない住民が公的住宅に移転した場合、「ローンと家賃を両方支払うのは苦しい」との声を調査・視察で多く聞いたとして「少なくとも公的住宅の家賃を無料にすべきではないか」と提案した。北側大臣は「しっかり受け止め、協議したい」と前向きに答えた。
さらに、長妻議員は、現行の耐震基準に合っていない建物の総数を国土交通省として把握しているかどうかを質問。総数の推計で住宅・1150万戸、非住宅・120万戸とされることを明らかにした上で、「問題の建物では耐震レベルが0.5以下の場合は、12月中旬までに退去となっている。問題の建物以外でも人命の尊重ということからすれば、サンプル調査を実施するべきだ」として、国が住民からの検査の要請を待つのではなく、積極的に検査を働きかけ、今回の問題が氷山の一角ではないかとの国民の不安をなくすべきだと主張した。北側大臣は「サンプル調査を検討させていただく」と答えた。
さらに、長妻議員は、伊藤公介元国土庁長官が11月15日に国土交通省を訪ね、住宅局長と建築指導課長と面談したことを取り上げ、伊藤議員を参考人として招致するよう求めた。参考人招致は理事会で協議されることになった。
また、検査会社のイーホームズが前から検査が通りやすいとの評判だったこと、さらに問題物件の一つ京王プレッソイン茅場町の現場調査で、柱の大きさが4分の1しかなかったことを指摘し、「建築の中間検査をすれば発覚できたはず。イーホームズは実際に足を運んで調査したのか、調査をお願いしたい」と求めた。北側大臣は「必要な調査はきちんとする」と答えた。長妻議員は、最後に「迅速な対応を」求めて質問を終えた。
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