マンションなどの耐震強度偽装問題をめぐり、衆議院国土交通委員会は30日、集中審議を行い、民主党・無所属クラブの同日最後の質問者として、小宮山泰子議員が北側国土交通相らに問題点を指摘した。
小宮山議員は、問題のマンション等の施工者「木村建設」の著書に「鉄筋を減らせば1割のコストダウンを実現できる」などと記述されている点を取り上げ、工期短縮にも繋がるとされるこの工法が建築基準法上、問題がなかったのかを質した。
国土交通省の住宅局長は木村建設が提案する独自の工法について、「工期を短縮する工法で、またスチール製の型枠を使用することにより通常の木製型枠に比べて耐久性があると紹介されている」などと説明。その上で、「建築基準法では使用する型枠の大きさや材質の規定はないことも明らかにし、「(その他の)規定に従って施工が行われているとすれば、建築基準法に適合しているといえる」などと答弁した。
小宮山議員は重ねて、工法をチェックする機関の存在について質問。それに対しては建設局長は「各会社が独自に開発して建築工法に関しては技術評定制度を活用することで審査を行っている」と答弁。小宮山議員は企業努力による技術開発は必要とする考えを示しつつも、阪神・淡路大震災で建築基準に適合しながらも倒壊したビルがあった点等を踏まえ、建築基準法そのものも見直しの時期に来ているのではないかと問題提起した。
続いて、指定確認検査機関の確認検査の実態が適切かいなかを確認する監督官庁によるチェック体制のあり方について小宮山議員は問題視した。住宅局長との質疑からは、立ち入り検査等で問題視される観点は「(該当機関が)確認事務を行う能力があるかどうかを見定めるだけ」であることが明らかになり、検査内容は不問に付されている点が浮き彫りになった。
この点をめぐっては北側国土交通相も「これまでも抜き打ち検査もやってきた。しかし、問題は立ち入り検査のやり方だ」と語り、指定検査機関としての要件が満たされているかだけをチェックしてきた従来の検査体制を改善する必要性を指摘した。
小宮山議員はまた、指定確認検査機関の更新時期を迎えるにあたり、より厳しい規準を設けるよう北側国土交通相に求め、国土交通相も前向きな答弁で応じた。小宮山議員は、深刻な毎日を送る該当マンションの住民などのためにも「しっかりとした検討・対応」を重ねて北側国土交通相に要請した。
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