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2005/10/05
【参院予算委】櫻井議員、早急なアスベスト対策確立を強く提案
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参議院予算委員会で5日、民主党・新緑風会の櫻井充議員が質問に立ち、アスベスト(石綿)による健康被害が全国的に問題となっている実情を踏まえ、政府の責任と、今後の対応等に関して関係大臣に質した。

 櫻井議員はアスベスト対策の政府責任を確認する意味で冒頭、人体への被害を及ぼすことをいつから認識していたか、またその後の対策に関して質問。尾辻厚労相は昭和47年(1972)年にWHO・ILOが「ガン源性あり」と公表したことがひとつの契機だったとの認識を示し、その後、労働安全衛生法に基づき対策をとってきたことを明らかにした。「中でも一番危険だとされる青石綿に対し、特に強い対策をとってきた」などと答弁した。

 「問題は薬害エイズやクロイツフェルト・ヤコブ病のときと同じように、その対策が果たして適切だったかとういうことである」と、櫻井議員は改めて問題提起した。

 尾辻厚労相は有害性の強い青石綿や茶石綿の製造をめぐり、平成7年に製造禁止としたことを明らかにした。「青石綿については、平成元年には使用実態がないことを確認した」「茶石綿についてはドイツ、フランスに1〜2年遅れて禁止した」とも述べた。

 「使用実態がないことを確認した」との尾辻厚労相の答弁に櫻井議員は、何による確認かを追及。今回の質問に立つにあたり、櫻井議員が「石綿がどんなところで使われているか質問する」旨を通告したところ、「ウチは知らない」との関係省庁からの回答が相次ぎ、たらい回しであったことを問題視した上で、「使用実態がない」とした判断根拠を質した。

 それに対して尾辻厚労相は「労働安全衛生法で規制しているので、監督作業所等の調査を踏まえ情報を把握した」とする趣旨の発言をしたが、櫻井議員は建設機材だけでなく、ドライヤー、トースター、コタツなどの電化製品にも使用されている事実を指摘。綿密な対策を整えるためにも、使用実態把握・調査を一本化する重要性を強調した。

 同時に、建築物の解体時に空気中に飛散するアスベストの対応を小池環境相に求めるとともに、産業廃棄物の廃棄規制の重要性を櫻井議員は指摘。「建築物はそれなりに規制されている」との認識を示しながら、アスベストが使用されている電化製品廃棄処理に対しても十分な規制を行うよう要請した。それに対して中川経済産業相は、アスベスト使用電化製品の販売状況に関するヒアリングにとどまっている実態を明らかにした。

 細田官房長官は「各省庁にまたがっているアスベスト使用を調査する」と前向きな答弁を行ったが、櫻井議員は省庁ごとの対応は現状把握に漏れを起し、対応の遅れを招く危険性があることを問題視した上で、「有害物質担当大臣」等を任命し、担当省による一本化した対応体制を整えるよう問題提起した。また、アスベストによる健康被害者の広がりは政府の対応の遅さに起因するとの認識を示し、「国としての謝罪」の必要性を指摘した。

 さらに櫻井議員は国債の利払い費負担に関連し、金利リスクをどう回避していくか質したのに対して谷垣財務相は、「金利動向は一番の関心事の一つ。今後の動向を日々注視していかなければならないことは肝に銘じている」などと語った。

 今後の対応を重ねて質すと、谷垣財務相は財政規律の維持が基本とした上で、「マーケットのニーズを見極めながら国債管理政策を展開していく」などと述べた。

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