13日午後、参院郵政特別委員会において大塚耕平議員が質問に立ち、「小さな政府」の意義などをめぐって小泉首相と論戦を戦わせた。
大塚議員は、「小選挙区制度の下においては、理論的に言って、第一党と第二党の主張が似てくる」と前置きして、行政改革などの「私たちの主張を総理が言っている」と指摘した。その上で、首相に対して改めて郵政民営化の目的を質問したが、首相は「経済の活性化と国民資産の有効活用のために、民間の活躍する場を広げたい」との抽象的な答弁で応じた。
大塚議員は、国民負担率が大きくなくても政府が大きくないとは言えないことを指摘し、政府としての「小さな政府」の定義を質問したが、首相は定義は困難であると答えた。大塚議員は、小さな政府かどうかは歳出規模・歳入規模・国債発行残高・公務員数などが指標となると指摘しつつ、国債残高が大きいことが問題であり、郵政民営化で果たして国債発行は減るのかどうかを質した。これに対して竹中郵政担当相は、政府資産・政策金融・公務員数などを見直していくと答えたが、民営化による国債減額には正面から答弁しなかった。小泉首相は、国債の発行減少は政治の意思の問題であり、郵政民営化と財政再建は別の問題であると答弁した。
大塚議員は、政府は財政の健全化を目指すといっているが信じがたいと問いかけ、郵政担当相は当面は基礎的財政収支の黒字化を目指すが、当分の間は国債残高は増加し続けると答弁した。
続いて大塚議員は、国債残高の半分以上を政府と日銀が持っているのは問題であり、その原資となっているのがまさに郵貯・簡保資金であると指摘し、郵政民営化と財政再建は別問題という首相の答弁の矛盾を衝いた。また、「政府とは何か」の定義をはっきりさせないとスリム化の対象も明確にならず、定義を検討する際には特別会計・地方政府・公団や公社のような公的組織そして公益法人まで対象にすべきだと提案した。さらに、中央銀行による国債の引き受けに対して釘をさした。これに対して首相は、政府の定義の明確化に同意した。
大塚議員は最後に、「天下は一人の天下に非ず、天下は天下の天下たり」との郷里愛知の生んだ徳川家康の言葉を引いて、首相の独善を牽制した。
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