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2006/06/14
「担い手経営安定対策法案」参議院可決に関して(コメント)
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民主党『次の内閣』ネクスト農林水産大臣
山田 正彦

一、 本日、政府が提出した「農業の担い手に対する経営安定のための交付金に関する法律案」が参議院本会議で可決された。民主党は衆参を通じてこの法案に反対し、衆議院では対案として民主党の農林漁業再生プランを法案化した「食料の国内生産及び安全確保のための農政等の改革に関する基本法案」を提出した。

二、 政府案は、直接支払いの対象である担い手を、都府県4ヘクタール、北海道10ヘクタールと農地面積で限定し、加えて20ヘクタール以上の集落営農としている。審議のなかで政府は、品目横断的直接支払いは、スタート時に販売農家の3割、農地面積の5割が対象となることを明らかにした。そうであれば販売農家の7割、農地面積の5割は対象から外れることになる。対象外となった農家は、これまで支給されていた麦の10アールあたり4万円の麦作経営安定資金、10アールあたり2万7000円の大豆交付金が支給されなくなり、小麦、大豆の耕作を放棄せざるを得ないことになる。そうなればさらに自給率が下がることは明らかである。また担い手として認定された農家、集落営農に参加することができた農家も、審議のなかで中川大臣が現行水準での支給であると答弁していることから、これまでの支給額と変わらないことになり、従来と比べて耕作者にとってメリットが全くない。このように本日可決した担い手法案は、さらに耕作放棄地を増大させ、食料自給率を下げるものである。これは農民の期待を大きく裏切るものである。

三、 中川農水大臣は昨日の農水委員会での質疑終了後、「新しい経営安定対策はその実効性に未知の部分も少なくないことから、政策効果を検証し、必要に応じて適切な見直しを検討する」と異例の発言で理解を求め、採決に入った。衆参の質疑を通して、政府案が日本の農業に与える負の影響を述べてきたわが党の主張に、一定の理解をもたれたことと思料する。

四、 衆議院で審議した民主党案では、主要農産物を計画的に生産するすべての販売農家を対象に直接支払いを行うこととし、予算規模1兆円を明示して、食料自給率を10年間で10%アップして50%にすることを約束している。小麦は83万トンを400万トンへ、大豆は27万トンを52万トンへ、菜種油は600トンを32万トンへ増収をはかることで、それぞれ8%、1%、1%の自給率向上がはかれるものである。

五、 民主党案こそが危機に瀕している日本の農業を救う。今回の審議では政府案が可決されたが、民主党は今後も民主党法案の主旨にのっとり、都市生活者には自給率上昇による食の安全確保を、農業者には欧米並みの直接支払いによる農業振興を訴えて、支持を広げる決意である。


以 上

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