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2004/08/10
【地方議員フォーラム】4つの講演めぐり活発に議論
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 民主党地方自治体議員フォーラムが10日、2日間の日程で開幕した。1日目の全国研修会では、岡田克也代表をはじめ4人の講師が講演し、参加者との質疑応答を行った。

 「これからの民主党」と題する講演で岡田代表は、まず先の参議院選挙の意義について言及。特に、比例区の得票で再び第1党となっただけでなく、自民党との差が昨年の総選挙時の200万票弱から400万票超へと拡大したことを指摘し、「確実に2大政党制の時代に入った。日本の政治が大きく舵を切った」と評価した。その上で、次期総選挙で政権交代を実現するための課題として、所属国会議員の政権交代に対する責任の自覚、政治への信頼回復に向けた透明で分かりやすい党運営の実現、「骨太ビジョン」策定に向けた政策の練り上げ、選挙に勝てる体制作り、の4点を提起。選挙に勝てる体制作りでは、全小選挙区での年内をメドとした候補者擁立と地方議員の大幅増加に取り組む考えを表明した。

 質疑では、「協力関係にある地方の多くの無所属議員に民主党会派に入ってもらうことが重要」(大阪府議会議員)「他党との連立政権を構成する考えは」(羽島市議会議員)などの質問が出された。岡田代表は、「幅広い勢力にウィングを広げ、協力・信頼関係を築いていくことが重要」「民主党は単独政権を目指している。連立の考えはない」などと答えた。

 続いて、民主党憲法調査会長である仙谷由人政調会長が「民主党はどう『創憲』に取り組むか」と題して講演した。仙谷会長は、6月に発表した調査会の中間報告の理念について「けじめある立憲主義の実現」と解説し、「政治の側は勇気を持って、この政策をやるためには憲法を変えなければと提起し、国民がそれを判断する。そういう形にしなければ、解釈を広げて現実との辻褄を合わせるしかなくなる」と従来の憲法論議の枠を打破すべきことを強調。その上で、総論、統治機構、人権保障、地方分権、国際・安保の各章からなる中間報告の内容を改めて紹介した。

 参加者からは、「9条の条文は具体的にどう変えるのか」(新宿区議会議員)「今後の議論に地方議員の意見をどう取り入れて行くのか」(苫小牧市議会議員)などの質問が出された。仙谷会長は、「条文をどう書くかという法技術的な問題の検討は、これからの課題」「今後、地方版調査会、公聴会などを持ちたい。まず秋口に数ヶ所で憲法ミーティングをやる予定」などと答えた。

 次に「緊急事態・国民保護法制と自治体の役割」と題して講演した松本剛明・『次の内閣』ネクスト防衛庁長官は、民主党が既に1998年の結党時から基本政策で大規模災害に対する危機管理体制の確立や、シビリアン・コントロールや基本的人権を侵害しないこと、超法規的措置をとらないことを原則に有事法制の整備を検討してきたことを説明。さらに、昨年成立の武力攻撃事態対処法など3法、本年6月成立の有事関連7法・3条約での民主党が主張し実現した修正内容などを丹念に説明した。

 会場からは「阪神大震災や今回の新潟などの豪雨災害に見られるように、もっと素早い対応が必要だ。弱い立場の人、困っている方に対しもっと補償額を上げるべき」「基本法が先で事態法などは後であるのが筋だ」「自治体は自衛隊の出動は要請できるが、撤退は要請できない。ジュネーブ条約との関係は」などの質問・意見が出た。松本議員は「野党なので限りがあるので、これで100%満足というわけではない。皆さんや地方自治体の声を足がかりに今後も国会審議の中で活かしていくが、政権を取って万全なものを作っていこう」と締めくくった。

 齋藤孝明治大学教授は「コミュニケーションの極意」と題した講演で、参加者全員に実践を求めた。まず、体がほぐれ、熱くなっていないとコミュケーションはとれないとして、肩甲骨を動かす体操を実施。次に、参加者は声に出す日本語の実践として『弁天娘女男白波』を朗読した。さらに、2人1組でのコミュケーション(再生)の実践として、相手の目を見る、相槌を打つ、微笑む、うなづくの4ポイントを実践しながら、教授の話を2分で相手に伝える練習をした。齋藤教授は、「位置取りが大切。話し合うことで、新しいアイデアが生まれることがコミュケーション」と結んだ。

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