民主党の岡田克也代表は12日、茨城県水戸市内で開催された「民主党年金改革地域懇談会」に参加。約150人の参加者を前に、年金改悪法の問題点と民主党年金案の特徴を明快に説いた。
岡田代表はまず、民主党が年金にこだわり続ける理由として、長寿社会にあって安心して長生きできるよう、公的年金はそれを保障するものでなければならないと指摘。現行制度の限界が明白になっている中、少子高齢化、多様な働き方に対応できる、持続可能で公平公正な制度を作り上げいくことが政治に求められているとの認識を示した。その上で、合計特殊出生率などゴマカシのデータの上に作り上げた政府の年金改悪法では破綻をきたすのは明らかであるとし、抜本改革に向け、地域懇談会を重ね、民主党案をより練り上げていく、と語った。
岡田代表に続き、五十嵐文彦衆議院議員が民主党の年金改革案を解説。五十嵐議員は、年金を一元化し、最低保障年金と所得補償年金の二階建て方式をとる民主党案の骨格を示しながら、団塊の世代が高齢化して受給者増となり、少子化の影響で支える側が減少する時代となっても持続可能な制度であることをアピールした。
質疑では「社会保険における雇用者負担は一律ではなく零細企業へは一定の配慮を」「社会保険庁による国民年金の流用は徹底的に追及すべき」「保険料を払い終わった高齢者からも消費税3%をとるのは不公平」「社会保障制度の解体の要因は少子化。その問題解決に向けた対策も同時に講じるべき」といった声が次々に出て、予定時間を超過して議論が続いた。
集会後に会見した岡田代表は「活発なご意見をいただき大変ありがたかった。これからこういった形での懇談を続けていくことで、国民のみなさまのご意見をしっかり反映して、今考えている制度で直すべき点は直し、次の国会に挑んでいきたい」と語った。今後は地元出身の党所属国会議員が中心になって各地で懇談会を開き、全都道府県での実施を目指す。
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