衆議院経済産業委員会で31日、9日に発生した美浜原発蒸気噴出事故に関する審議が行われ、民主党からは吉田治、田中慶秋の両議員が質問。政府および関西電力社長らに、事故原因、再発防止策などについて質した。
民主党美浜原子力発電所事故対策本部の事務局長を務める吉田議員は、事故による5人の犠牲者への弔意を表し、黒いネクタイをして質問。まず短期的課題として、犠牲者の遺族への心のケアや子どもの養育への支援などを関西電力に求めた。その上で、事故調査をめぐり、配管の破損箇所の肉厚を当初は1.4mmと発表しながら原子力安全・保安院の調査によって0.6mmと訂正した関西電力の対応を批判。再発防止に向けて、リスク管理を徹底し、事故が起こりうるような環境をつくらないよう政府に求めた。また、犠牲者の四十九日の法要までに再度委員会を開き、関西電力会長を参考人招致するよう要求した。
田中議員は、破損した2次配管の溶接部分がもともと流体力学的にも事故の起きやすい箇所であったにもかかわらず、点検のチェック対象から漏れていた問題を追及。「点検の元表のチェックが抜けていた」とする関西電力社長に対し「(現場に対する)十分な監督、教育が行われていない」と厳しく批判した。また、全国の火力発電所が今回事故を起こした美浜原発3号機の2次配管と同じ配管構造を持っていることを指摘し、すべての点検を要求。原子力安全・保安院長は、10月中旬までに調査結果を報告するよう指示した、と答えた。
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