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2005/03/03
【参院予算委】輿石議員、まず郵政改革ありきで国民無視の姿勢追及
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 参議院予算委員会は3日、平成17年度政府予算案についての質疑を開始し、民主党・新緑風会のトップバッターとして、輿石東参議院議員(参議院幹事長)が質問に立った。

 輿石議員は冒頭、今国会を何国会と呼ぶべきか、政府としての中心課題を質したのに対し、小泉首相は会期延長を否定した上で、「福祉、景気の問題はあるが、それを解決する手段として郵政民営化は不可欠の課題」と答弁。郵政民営化を求める声は国民の2%に過ぎない世論調査を示し、国民の意識とかけ離れた改革ではないかとの問題提起を輿石議員は行ったが、小泉首相はあくまで郵政民営化法案成立への強い姿勢を示した。

 民主党が求める年金一元化、政治資金規正法改正法成立、被災者生活再建支援法成立への小泉首相の前向きな取り組みを求めたのに対して首相は、「会期内ですべての法案を成立させたいと思っている」などと答弁。本物の100年安心プランの確立に向け、年金制度のゼロからの改革を要請したのには「すでに給付が始まっている人がいる。ゼロからの出発は難しい」などと首相は開き直り、抜本改革への決意に疑問符のつく答弁に留まった。

 輿石議員はまた、三位一体改革の最大の焦点でありながら先送りされた義務教育費国庫負担金の取り扱いに言及。削減の方向を示している小泉内閣に対し、教育機会の均等化・教育水準維持の観点からも削減反対の考えを輿石議員は示し、関係大臣の認識を質した。「地方の独自性にまかせた教育重視」の姿勢を示した小泉首相・麻生総務相に輿石議員は「財源がなければ何もできない」と指摘。終始一貫して義務教育費国庫負担金削減反対の姿勢を示している中山文科相は、自治体の財政力によって義務教育に差が出てくることに言及し、「義務教育は国の問題。銭金の面から主張してもらってはならない」と語り、国が予算を組むべきとして削減反対の姿勢を改めて示した。

 景気に悪影響が懸念される定率減税の縮減をめぐって輿石議員は、「悪影響を及ぼさない」としている竹中経済財政担当相を質した。竹中大臣は、「もはやバブル後ではないと表現できるまでに(景気回復は)強まってきた。国民負担が大きすぎると問題だが大きすぎないよう財政と経済のバランスを見ていく」と答弁した。谷垣財務相も現状認識は同じとしながらも、景気の影響も見定めていく必要性を指摘し、「(定率減税縮減は)いっぺんにやるというよりも、段階的に行っていくべき」と語った。経済全体については「デフレが継続している状況で金利が上がるのは、景気に悪い影響を及ぼす」と谷垣財務相は述べ、「今後、金利上昇が利払い費に与える影響はよく見極めていく必要がある」と語った。

 輿石議員は、財務省幹部が国債の金利負担に関して、「デフレが続いてくれないともたない」と発言したとされる報道を取り上げ、「これは財政赤字のツケを国民に押し付けることではないか」として財務相の認識を質した。谷垣財務相はデフレは消費や投資といった経済活動に冷や水を浴びせ、財政に悪影響を与えるとの観点から、「デフレであって欲しいとは毛頭考えていない」と発言。現状では、「デフレは緩やかながらも続いている」とし、「日銀と車の両輪でデフレ対策をしっかりやらなければならない」と述べ、「市場の動向等を見極めながら、国債保有者層を広げていくことをはじめとして、いろいろな工夫を今やっている」と説明した。

 輿石議員はまた、参議院改革の方向性として、衆議院は予算審議中心、参議院は決算審議中心といった役割分担を提案。質問の最後には郵政民営化を突破口として小泉首相が日本をどの方向に進めようとしているのか明確なビジョンが見えてこないと指摘したうえで、地方がしっかり自立していくための環境整備こそが重要と指摘し、首相に強く要請した。

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