参議院予算委員会で10日開かれた集中審議で、民主党・新緑風会のトップバッターとして、峰崎直樹議員が質問に立った。その冒頭に峰崎議員は、小泉首相在任4年間の株価動向などの経済指標を示し、首相が改善したと言っている経済状態が、実は真の回復に至っていないことを指摘した。
峰崎議員は次に税制の質問に入り、まず道路特定財源の一般財源化の進捗状況について首相の認識を質問した。首相は一般財源化が進んでいるとの答弁を行ったが、峰崎議員は3兆円のうちの1000億円にも満たないと指摘した上で、政府税調においても本格的な議論が行われていないことを批判した。
続いて峰崎議員は、消費税を上げないとした上で定率減税縮減を実施する理由について質問したが、谷垣財務相は三位一体改革における税源移譲につなげていくためでもあると、正面からの答弁を回避した。峰崎議員は小泉首相に対しては、負担増に踏み切っても日本経済は失速しないと判断したのかどうかを質問したが、首相は「総合的に考えて判断している」という抽象的な答弁をするのみだった。
さらに峰崎議員は、研究者の発言を引用しつつ、労働コストがデフレに伴って低下している中で所得税の定率減税を縮減することは、中堅サラリーマン層に負担を集中させることになると鋭く指摘したが、小泉首相は、「定率減税縮減の方が消費税増税よりも消費に与える影響は小さい」と強弁した。これに対して峰崎議員は、所得階層別の減税効果を把握した上で政策を決定すべきであると指摘した。
ここで峰崎議員は、経常収支と外貨準備に論題を移し、圧倒的にドルに偏った外貨準備の危うさを指摘したが、首相は何が得か総合的に判断したいと答えるにとどまった。
最後に峰崎議員は、所得把握の不正確性がもたらす不公平について保育所の保育料の例などを挙げて指摘した上で、納税者番号制度の必要性について訴えた。これに対して首相は、どの程度まで導入するか議論が必要としつつも、今後の導入に理解を示した。
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