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2005/03/17
【参院予算委】首相、理解能力のなさを露呈 山根議員の質問で
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 参議院予算委員会で外交・安全保障の集中審議が17日午前行われ、齋藤勁議員に続いて山根隆治議員が質問に立ち、拉致問題、BSE問題、中国の反国家分裂法などに関して、小泉首相に基本認識を質した。

 山根議員は、拉致問題の全面解決は、自由に帰国できることだとし、「金正日体制の下で解決は可能か」と質した。首相は「難しい問題を乗り越え、平和的・外交的解決が図れるよう努力していく」と答え、質問には直接答えなかった。更に山根議員は金大中事件を引き、日本の情報機関の充実・強化を求めた。これに対して首相は、「強化・充実は同感」と答えた。また、山根議員は、15人の拉致被害者以外の人も北朝鮮に対して接触・交渉したことを確認した上で、「国内でも拉致被害者と認定すべき」と迫った。町村外相は「個別名がないので今は答えられない」としたが、村田国家公安委員長は「15名を被害者としている」と、拉致被害者・家族の思いに反する答弁をし、解決への意図は全く感じられなかった。

 山根議員は次にBSE問題について触れ、島村農水相に対し改めて「全頭検査は世界の非常識」発言の撤回を求めるとともに、首相に対してライス米国務長官にどう対応するのかを質した。首相は「BSEに関しては日本の立場はっきりしている。食の安心・安全の観点から科学的知見に基づいて誠意ある対応をしている」とした。山根議員は重ねて、科学的根拠をもとに判断するよう求めた。

 続いて山根議員は、中国で成立した反国家分裂法に関して、いわば宣戦布告ではないかとした上で、「有事の際にはどう対応するのか」と質した。町村外相は「どういう情勢か不明。抽象的に論じるのはいかがか」と、まともには答えなかった。山根議員は「日米基軸は揺るぎない」として、イラク戦争でのフランス、イギリスの行動を紹介し、参考にすべきではないかとして、「アメリカに唯々諾々ではないかと国民は見ている」「日本外交の理念は」と首相に問い質した。首相は「イギリスと同じように戦えということか。日本はイギリスともフランスとも違う」と質問を矮小・曲解した答弁を行い、自ら理解のなさと理念のなさを露呈した。山根議員は「不愉快だ」と質問の締めくくりとしては異例の発言で抗議した。

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